夢目が開くと薄く濁った青の空が広がっていた。
垂れていた腕を頭に乗せ。「あぁ、またこの夢だ。」と思考が揺らいだ。
広い空の天井と無限に続きそうな水面の中、瓦礫と現実の自室にもあるソファやテーブルが置かれたこの空間を僕は何度か夢に見た。
ベッドで眠ればいいものを、いつも目覚めるのは一人暮らしには大きすぎたソファの上。
だが、何故かとても心地がいい。ここで永遠に眠り続けたいとすら思える。そんな夢。
「(今日はもっとーーーーー……)」
瞼を閉じる。夢のさらにその奥に引き込まれてしまいたい。今日は疲れた。
そんな時、僕の頬を包む感覚がした。そして柔らかい感触が唇に触れる。
その感触はとても優しくて懐かしい気がする。
まるで親鳥から餌を与えられる雛のように、僕はその行為を受け入れた。
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