ハンターになった「…悪夢、なぜ着いてくるんだ」
あのホワサンでのゲームから、悪夢はゲームだけでなく日常生活でも着いてくるようになってしまった。
ゲームならまぁ、フィールドに怖いものがあるのも仕方ないかもしれないし許した…いやほんとは許したくは無いのだが。
だがサバイバーの館まで着いてこられるのはいい加減困る。
「いい加減にしろ悪夢。お前だってハンターなんだ、いつまでも子供のように着いてくるな」
振り返りそう告げ、さっさとまた歩き始めた。
ちらりと悪夢を見ると、俯きその場に突っ立ったままだった。
（言い過ぎたか…？）
そうは思ったが、これも悪夢のため…と心を鬼にし廊下を離れた。



あれから三日経つが、悪夢は全く着いてこなくなった。代わりにゲームでも日常生活でも見かけなくなってしまった。

とてもハンターとは思えない※キャプション読んでね



クルル……キュウ…クルルル…

切なそうに、少し離れたところからこちらを見て可愛らしい鳥のような鳴き声をあげ続けているのは、ハンター「悪夢」。私の片割れでもある存在。
そして今は試合中である。
私はそのハンターの目の前で解読を続けている。
悪夢はそんな私を見ても殴ることなく、変わらず鳴き続ける。まるで親を呼ぶかのように。

なぜこんな状況になったのか。
単刀直入に言うと、この悪夢は生まれたてなのである。まだステージどころか、自分の使える能力すら把握しきれていない。さらにステージはみんなが嫌いであろう「ホワイトサンド精神病院」だ。
あまりにも長すぎる先の見えない廊下に、独りでに激しく叩かれるドア、勝手に鳴り続けるピアノ…