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    matsuo_dc_ac

    ハム安×名探偵 スナイパー×名探偵 が好きです
    成人済

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    matsuo_dc_ac

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    ゼロ茶でのネタを含みます
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    お題「ケモミミ」 仕事の休憩時間になると、いそいそと風見が携帯電話を横向きに持ち画面をタップし始めた。降谷は昼食の弁当をつつきながらチラリとその様子を眺めていた。
    「風見、前にゲームをやっているか尋ねた時にやっていないと答えたがそれは嘘だったんじゃないか?」
    「えっ!?」
     動揺のあまり大声になった風見はやはり降谷には隠し事ができないと観念したようだった。
    「白状しますとスマホゲームを息抜きにやっております。『怪物コレクション』、通常『怪コレ』って言うんですがご存知ですか?今丁度アバター用ケモミミがもらえるイベントが始まったんですよ」
     見ますか? と風見が差し出した携帯の画面には異世界風の衣装を纏った美少女の頭の上にフワフワの白い耳と尻尾が付いていた。愛犬の顔が連想され、帰って戯れたいと疲れた頭で降谷は思った。
    「風見はこのケモミミを自分のアバターに付けたいのか?」
    「はい! それは勿論!レイちゃ……ゴホッゴホッ! 自分のアバターの可愛さがケモミミで更に倍増するんですよ? 降谷さんも想像して下さい、可愛いと可愛いが掛け合わさったら可愛さ倍増になるんですよ?」
     そう言われて降谷の頭に思い浮かんだのは、毛利探偵の居候をしている小学一年生の少年の姿だった。愛犬ハロと同じ白い耳があの少年、コナン君の頭の上でピンと立ったり、喜びでペタンと倒れたりする姿を思い浮かべると確かに凄い可愛さだ。おまけにモフモフの尻尾が喜びでブンブンちぎれんばかりにふられたり、怒られて両足の間に丸まったりするのだ。可愛さのレベルの上限値をとんでもなく上回るだろう。自分でも疲れてる自覚はある。何を言ってるんだ。
    「降谷さん? 一体何を思い浮かべておいでで?」
     ポーカーフェイスの得意な上司が頬の内側を噛んでにやけるのを我慢している姿が珍しく風見が尋ねると降谷はサッといつもの業務中の顔に戻った。
    「ハロの事を思い浮かべていた」
    「はぁ……ワンちゃんにメロメロなんですね」
     言った途端、降谷が据わった目でこちらをギロリと見てきた。どうやら自分の相槌は失敗だったようだ。風見の胃がきりりと痛んだ。上司との会話は難しい。
     降谷はもうこの話題は終わりだとばかりに食事を再開し、それをきっかけに風見も携帯の画面に再び視線を戻した。貴重な休憩時間の内に少しでもアイテムを増やせるようゲームに集中し始めた。
     一方古屋は弁当を食べながら未だにケモミミ妄想が頭から離れずにいた。耳をペタンと後ろに倒して尻尾を喜びで千切れんばかりにフリフリするコナンが、自宅で自分の帰宅に気づく。ドアを開ければ「お帰りなさい! 寂しかったよ降谷さん」と全身で喜びを表しながら出迎えてくれる。
     これは可愛い……。こんな風に毎日出迎えてくれたら毎日の蓄積された疲れも吹っ飛ぶだろう。降谷が黙々と白米を口に運びながら頭の中のコナンに癒されていると、まさかの本人から着信が入った。
    「降谷さん、今少し良いかな? ちょっと確認したい事があるんだけど」
    「あぁ、構わないよ」
     席を立ちながら答え会話をしていけば、コナンの聞きたかった疑問点はすぐ解決された。ありがとう、と言ってすぐ切ろうとするコナンを降谷はちょっと待って、と引き留めた。
    「なあに?」
     用件は終わったのに、という空気をあからさまに出すコナンに少し笑った降谷はこう切り出した。
    「次会う時にお願い事があるんだ、コナン君にしかできないんだよ。ぜひ良いかな」
    「僕にしかできない事? 良いよ」
     てっきり事件のことかと早合点したコナンは内容を確認せずに即答した。電話の向こうで降谷がほくそ笑んでいることも知らずに。
    「じゃあ次会う時にお願いするね、助かるよ。楽しみにしてる」
     そう言って電話を切った降谷はどんなに怒られても頼み込んで次に会う時にコナンに犬耳と尻尾を付けてもらおうと決意した。コナンも降谷の頼みには弱い為、口では色々いうものの、最終的には許してくれるのだ。さあベッドの中で付けてもらうケモミミの調達を早くしなくては。急いで午後の仕事を切り上げようと降谷は足取り軽く自席に戻った。 
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