キミに似合うボクになりたい「どうかな?」
一目でわかる。似合わなかった。
リボンそのものは、可憐な彼に合っている。頭に巻いて、結び目を側頭部に持ってきて、リボン結び。彼が微笑むと、リボンも揺れた。
「良いと思う。ただ——黒は、やめたほうが良いかも」
異質。明らかに浮いていた。いや、沈んでいると言ったほうが良いのか。
「そっか……」
バジルは残念そうに呟いた。もっとほかの言い方の方が良かったかもしれない。
「でも、今日はこのリボンつけていようかな」
「どうして?」
「最近は黒がブームなんだ」
花が咲くような笑顔を見せた。最近、最近。彼に何かあっただろうか、と思い返した。最近の、黒に関する出来事と言えば……。
「……僕の色?」
「うん。黒いものを見てると、サニー君を思い出すんだ」
1980