朝、起きたらまずすること。
それは目覚まし代わりのコーヒーを入れること。寝ぼけながらでもしてしまう、自分のルーティンである。近藤は欠伸をしながら、朝の日課であるインスタントコーヒーの粉をバナナのマークがあるマグカップに入れた。マグカップを回しながら、ポットからお湯を注ぐ。そうすると、コーヒーの香ばしい匂いが辺りに漂ってくる。この時間が好きだ。先程までのうつらうつらとした眠さはどこかに消えていく。
一口、コーヒーを飲むと尚更だ。苦さと香ばしさが口の中に広がり、現実に引き戻される。頭の中がすっきりとし、目が覚めたと自覚する。
近藤ははっきりとした意識が戻ってきて、その場で伸びをする。身体も目覚めさせるのだ。頭の上に手を伸ばしていると、後ろから掴まれた。びっくりするのも束の間。視界に銀髪が写り込んできて、キスをされる。
「にっが。だから、朝はいちご牛乳にしとけって言ったじゃねぇか」
「そんな甘ったるいの朝から飲んでられねェ」
銀時が口を歪ませて、文句を言った。近藤は呆れ顔で反論するが、用は済んだとばかりに銀時は近藤から離れて冷蔵庫に向かう。今日はベーコンの日らしい。近藤は先程のコーヒーの粉をいちごのマークがあるマグカップに少なめに入れた。それからお湯を注ぎ、牛乳とお砂糖をたっぷり入れる。
これが近藤勲の朝のルーティン。