花吐き病ぱろ一部(タイトルまだない)花吐き病パロ
「おえっ……」
ぼたぼたと俺の口から花が落ちる。色とりどりの花がぼろぼろと。
息がし辛く、胸が締め付けられる。苦しくて、苦しくて、視界がぼやける。
この苦しみは、嘔吐のせいなのか。
それとも、叶わぬ恋のせいなのか。
「大丈夫か?万事屋……」
声をかけた男、近藤はどうしようかと、おろおろしながら俺を見ている。
俺はぼやけた視界の中、あいつの方を向く。困ったような顔をするあいつに、吐き気がまた込み上げる。ぎりっと奥歯を噛んだ。
お前のせいだよ、と言えたらどれだけ楽なのだろう……なんて。
そう考えると同時に、結局、溜まらずに俺はまた口から花を吐き出した。
どうしようもない恋だ。叶わない恋が、花となって俺を苦しめて、吐き出させて楽にしてくれる。ずっと溜め込むよりマシだというように。
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