Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    えんどう

    @usleeepy

    『要パス』タグのものは冒頭の箇条書きをよく読んでから本文へ進んでください
    パスはこちら→ X3uZsa

    褒めたい時はこちらへ↓↓↓
    https://wavebox.me/wave/d7cii6kot3y2pz1e/

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💴 💵 🍓 🍟
    POIPOI 104

    えんどう

    ☆quiet follow

    ▽王様がやきもちを焼く

    ##第三者がいる話
    ##1000-3000文字

    歓迎会とやきもちの話▽他の鯖の歓迎会が盛大で歓迎会なかった王様がちょっとやきもちを焼きます
    ▽不夜キャスさんとニトちゃんの歓迎会なので二人がちょっと喋ります
    ▽ぐだキャスギル








     シェヘラザードと、ニトクリスが弊カルデアにやって参りました。
    「おめでとうデザートビューティー 待ってました おめでとうシェヘラザードにニトクリス 種火なくてごめん しばらくは二人でお茶会してて」
    「はい……戦場から遠ざかるのは……それは死より遠ざかる事なので……構わないのですが……」
    「幾ら私が未熟とは言えファラオへの貢物がないとは何事ですか! 恥を知りなさい! 恥を!」
     あからさまに嬉しそうなシェヘラザードに、おこと言う言葉が似合う怒り方をしているニトクリス。しかしやはりニトクリスもどこか嬉しそうに見える。頭上のウサ耳のような飾り?がピコピコと揺れているし。夏の駄女神によるトンチキイベントでお互いを相棒と呼ぶまでに信頼を深めた二人であるからこそ、やはり嬉しさは隠し切れないのだろう。二人(主にニトクリス)をまあまあと宥めながら食堂の椅子へ座るよう促す。そこにはこの時のために用意してもらった彼女たちの国の料理が並んでいる。所謂歓迎会というやつだ。話を聞きつけた宴会好きのサーヴァントたちもわらわらと集まってきている。なかなかに賑やかな歓迎会になって立香は満足気にその様子を眺め、一人輪の外にいるギルガメッシュの傍へ歩む。
    「王様は混ざらないんですか? 王様の蔵にあるものよりは質は落ちると思いますけど、酒もありますよ」
    「よい。あのように姦しい騒ぎは好かん」
     腕を組んで壁によりかかるギルガメッシュは明らかに不満気な顔をしている。温泉ではあんなにはしゃいで飲み比べかつ我慢大会を繰り広げていたというのに、いやに冷静、というかいっそ不機嫌だ。
    「うるさすぎて怒ってます? 部屋に戻りましょうか」
    「構わん。貴様がおらねばまとまるものもまとまらんだろう。我はここで眺めておるゆえ、思う存分混ざって騒いでくるがよい」
     なぜか言葉に刺を感じる。何か怒らせるような事をしたのだろうか。ただの歓迎会だと言うのに。
     はて、歓迎会。歓迎会……歓迎会。そういえば、今まで高位のサーヴァントが召喚された際には毎回歓迎会と銘打った宴を開いていたような気がする。
    「あの、ギルガメッシュ王、もしかして」
    「断じて違う。貴様の脳はその程度か? 雑種」
     もしかして、自分が来た時に何もなかった事を未だに気にしているのだろうか、と問いかけた立香の言葉は先回りして遮られた。それが何よりの証左なのだが。
    「えっと、あの、えっと、……やっぱり行きましょう」
    「は? だから貴様がおらぬと意味がないと……」
    「いいですから。行きましょう」
     腕を組んでいるギルガメッシュの腕を掴んで引く。たたらを踏んだギルガメッシュが「おい、待て」と言うのも聞かずに食堂を後にする。どうせあの騒ぎだ。立香一人がいなくなったところで何も問題はないだろう。気にはされるだろうがそれも一瞬で飲まれるようなどんちゃん騒ぎになるのは目に見えている。それよりも、今はこの人と二人きりになる事の方が重要だった。「待て、待て立香」と繰り返すギルガメッシュを無視してずんずんと自分の部屋へ向かう。
     いつもの音を立てて開いた扉を潜り、ここまで手を引いてきたギルガメッシュをベッドに座らせる。膝カックンの要領でベッドの縁に押さえつければあとは肩を押すだけで座らせる事はできる。幾分困惑した表情のギルガメッシュを立香は見下ろして、それから目の前にしゃがみ込んで両手を取る。そして戸惑う真紅を真っ直ぐに見上げて顔を引き締めた。
    「遅くなってすみません。……ありがとうございます。オレのところに来てくれて。歓迎会はできませんでしたけど……、……ありがとうございます。ずっと、オレを助けてくれて。ありがとうございます。傍にいてくれて。大好きです。オレは、王様の事大好きです。オレにはなんにも用意できるものなんてないですけど、気持ちだけならあげられます。…………これじゃ、だめですか」
    「……………………」
     ややぽかんとした表情でギルガメッシュは立香を見下ろす。表情が上手く取り繕えていない。それは、言葉が通じた証左であると解釈してもいいのだろうか。
    「……………………この我に言葉だけとは、随分些末な歓迎よな」
    「だってオレには何もないですから」
    「……よい。赦す。……特にな」
     そう言って微笑うギルガメッシュに立ち上がりながら立香はやわらかな唇を塞ぐ。無防備に目を閉じられる美貌を薄目で見ながら、そのまま仰向けに倒し、覆いかぶさるようにしてくちづけを深くしていく。肉の厚みを感じながらなにもかもを持つこの王にあげられるものなど立香には何もない事を少し悔しく思う。だがせめてこの時間だけは、いずれ消えてしまうかもしれないギルガメッシュの霊基に刻まれればいいと、そんな事を願った。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺💘💖❤💞💕🌋💖💘🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator