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    bell39399

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    bell39399

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    ハッピーホワイトデー&ハッピーバースデーエレインちゃん!

    バンのホワイトデー計画!成功ッ! そして迎えたホワイトデー、そしてエレインの誕生日当日。

     バンはいつもと変わらず終礼のホームルームが終わると同時に部活に向かう。その片手には家で焼いてきたクッキーやマドレーヌなどの焼き菓子の小袋が握られている。
     いつも通りの部活。花壇を整備して、緑地の雑草をとって……。気のいい部員たちと、美しいエレイン。バンはいつも通りエレインの喜ぶ顔が見たくて人一倍身体を動かす。
     そして「少し休憩しましょう」というエレインの一言と同時に彼は動いた。
    「家で作って来たんだ♪ 今日はホワイトデーらしいからな、みんなつまんでくれ♬」
     机の上に広げられた焼き菓子に、部員もエレインも歓声を上げる。甘く香ばしい素敵な香りと、とてもバンのような強面の男が作ったとは思えない愛らしい見た目のクッキー。マドレーヌもご丁寧に動物の形を模している。
     そしてあえて「みんなで」と言ったのはバンの策略である。こう言えばエレインも断る事なく菓子を口にしてくれるだろう。事実彼女も目を輝かせ「凄いわバン。こんなに可愛いお菓子を作るのが得意だなんて」とほめてくれた。
    「どれもこれも可愛くておいしそうで、食べるのが惜しいくらい」
     その言葉に、バンは「味はどれも一緒だぜ」とほめられた嬉しさを隠しもしない表情で、しかし一瞬だけ、周りの部員を牽制するように一瞥する。
     そこで察しがいい上部員たちはピンときた。どれもが可愛らしくおいしそうなクッキーだが、その中でもハート形で装飾も凝ったものが数枚混じっている。マドレーヌも同様だ。彼らは無言で視線を交わし、そっと頷きあった。
    「先生、このハートの食べなよ。かわいくて先生っぽい!」
    「そうそう、ぼくはこっちのくまがいいなぁ」
    「そう? みんながそう言うなら……」
     部員たちに勧められるがままに、エレインはハートの菓子を口にする。
    「とってもおいしいわバン。お口いっぱいハートが広がっちゃう!」
    「カカッ♪ だろう~?」
     こうしてバンが特別想いを込めた焼き菓子たちは、無事エレインの胃に収まることとなったのだった。

     楽しいティータイムも終わり、もうひと働きしてもうすぐ部活も終わる頃――……。
     バンはもう一つの《計画》を行動に移した。
    「なぁエレイン……センセ」
     いつになく真面目な生徒の様子に、エレインはきょとんと彼の瞳を見上げる。
    「今日誕生日なんだろ。誕生日プレゼント……」
     その言葉にハッと目を見開いてから、すぐに申し訳なさそうに眉を下げた。
    「バン。気持ちはうれしいけれど、生徒から個人的なプレゼントは」
    「……は、きっと受け取って貰えねぇと思ったからよ。代わりに花壇の端に花の種植えていいか?」
     そう、それこそ考え抜いた結果のプレゼントだった。プレゼントはきっと受け取って貰えないが、花壇に植える花ならば断わられまい。そのために色々調べていい香りのする花を探して種を買ってきたのだ。これならば部活の範疇だろうし、バンが彼女のために選んだ種はいずれ芽吹いてエレインの目を楽しませてくれるだろう。
     これで断られたらあとでそっと泣く、とバンは覚悟を決めてお願いした。 
     エレインが心底驚いたように目を見開いたので、その瞳はきらきらと輝いて見えた。バンはそれをきれいだ、と心の底から思った。そして数秒経ってようやく、「ええ、バン。……いいわよ、ええ、勿論」と花のように微笑んだ。

    「ありがとう」
     花の種を植え終わったバンに、エレインはお礼を述べた。
    「それにしても考えたわね。これなら私も断れない。……とっても嬉しいわ」
    「ああ、すげぇ考えた」
     バンは素直に認めた。目的が果たせた安堵で妙にさわやかない気持ちだ。しかも思った以上にエレインに喜ばれた。彼は胸いっぱいになった達成感と幸福感を、大きなため息でやり過ごした。
    「ハァ……俺はお前を奪うぜ、エレイン♪」
    「……卒業したらね」
     いたずらっぽく笑ったエレインは、小さく答えた。


    おしまい!
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    bell39399

    MAIKINGバンエレ水浴び一人アンソロその1(2以降があるかは謎)

    途中まで書いたやつポイ。
    一人称に直すかも。なんとなく
    それを見た時、バンは幻を見たのかと思った。もしくはまだ寝ぼけているのか。
     

     夜中、水音を聞いた気がしてふと目が覚めた。もとより熟睡することのないたちだったが、この森に来てからは妙によく眠れる。にもかかわらず、だ。それに何故か少し冷える。
     その原因に気づき、思わず自嘲した。なんの事はない、隣で寝ていたこの森の聖女がいなかっただけの事だ。
     この森も、この森である秘宝を守っているという少女も奇妙な事だらけだった。安らぎやぬくもりとは無縁の生活を送ってきたバンだったが、ここに来てからは気持ちが凪いでいる。不思議なことだが本能で警戒する必要がないと感じていた。
     エレインと名乗る妖精少女(本人曰く千年は生きているらしいが)とのやり取りも実に愉快だった。彼女はバンの他愛のない話を夢中で聞いて、四季のようにくるくると表情を変えながらバンの言葉の一つ一つにいちいち反応する。時には金色の睫毛を伏せ、時には頬を膨らませ、そして何よりよく笑った。バンは彼女の笑顔で初めて「花が綻ぶような」という形容の意味を知った。
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