無題のつづきお昼から少し時が進んだRADの応接室の前に私はいた。ルシファーから頼まれて執行部の書類をディアボロの所へ持って行くことになったからだ。書類の束は少し重いが、運べない重さではない。
「はあ」
ついため息がこぼれる。結局あれからバルバトスさんからあのディフューザーがどういうものか教えてくれなかった。私は心のモヤモヤを抱えながら結局日にちが経った。
しかしいつかは、いや今日こそ教えてもらうぞ!と意気込み少し体勢を整えてドアをノックした。
「どうぞ」
低い、でも優しい声が扉の向こうから聞こえる。
「やあ、君か」
扉を開けるとディアボロが応接室の中央に置いてある重厚な造りのソファに座っていた。手には執行部の書類なのか紙束を持っている。
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