朝、お粥「おはようございます、ヒバサさん」
どこからともなく声が聞こえた。いつの間にか寝ていたらしい。夜通し作業したせいか、温かい朝餉の匂いが空きっ腹に響く。ヒバサは集会所の2階、鍛冶屋の隣で寝泊まりしている。コジリとナカゴは既に家に帰っていた。
朝餉を持ってきたのは、見知った里のハンター、セツだった。
「おお?なんだ、お前が作ってくれたのか?」
「はい、オテマエさん手が離せなかったそうなので、代わりに」
粥に漬物。小鉢に昆布の佃煮と生卵が乗っていた。
「ほー、ありがとな。ん、今日は粥か?いつも握り飯なんだが」
焼き鮭に味噌汁、漬物にでかい握り飯が3つ。それがいつもの朝食だった。それとなく希望を込めて尋ねると、ちらりと横目で見られた。
3558