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    RmHge0LAkgetvor

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    RmHge0LAkgetvor

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    OKが出たので改めて。
    シャルロラでこたつとうさぎなネタです。若干季節がズレてきてますが広い心でお願いします!

    こたつとうさぎ『冬の風物詩といえばこれ!!!』

    そんなことを言って、毎度新たな娯楽を提案するマスター達が希望者のお部屋に送ったもの。四角い低めの骨組み、その上に厚めの布団を広げ、四角の板を乗せて完成。
    そう、日本という国に昔から慕われている『こたつ』である。

    希望者と言いつつ『シャルルもいる?』と一人ひとりにマスター自ら声を掛けているので、忠義だったり面白半分興味半分だったりと受け取るサーヴァントが多く、ほぼ各部屋に配置されていった。不在だった者や不要と言ったサーヴァントの部屋を除いて。

    マスターの好意を喜んで受け止めたシャルルは、早速ローランを呼んで体験することにした。
    こたつは抜け出せなくなる程に大変気持ち良いという噂を耳にしたのだ。そんな恐ろしいものなのに冬の風物詩とは、なかなか奥深いものである。おすすめされたみかんを茶色の籠に幾つも入れて机の上に置き、早速温まった中へと靴を脱いだ足を入れてみた。

    「ほぉ、これは」
    「確かに温かいなぁ」

    ふかふかの布団に、中に広がる温かい空間、前のめりに凭れるには丁度いい高さのテーブル、そして温かい飲み物とみかん。なるほど、気を抜くには良いものなのかもしれない。
    ローランと二人こたつの中に手を入れては温かいなと盛り上がった。

    しばらく気持ち良く寛いでいたところで、「シャールルー!」と元気な声と共にドアの開く音が二人の後方から聞こえた。
    振り返った先にはピンク髪に黒い長耳のアストルフォ。何事かと顔は向けてもこたつから出てこない二人に、アストルフォは大きな声を上げて二人の入るそれを指さした。

    「あ!いいないいなこたつだー!!ボクもはいるー!!」
    「おぉ入れ入れー温かいぞー」

    おっじゃまっしまーす!そんな機嫌の良い声でアストルフォはシャルルの向かいに駆け寄ると、早速靴を脱いで中へと入ってきた。

    「ほぁ〜温かい!お外寒かったんだよね〜」

    極楽極楽なんて言いながらテーブル面に顔を乗せて寛ぐ様にシャルルは可笑しそうに笑った。行儀の悪い仕草もこのこたつの中では見逃してくれるらしい。
    むしろマスターにもテーブルに凭れるくらいに寛いでみろと言われていたので実践中だ。
    正直これは机の高さが若干低くて背中が痛くなるので、言われたことを体験するだけに留めて今はただ座ってのんびりと寛いでいる。様々な人種で溢れている環境は、こうして色々な異文化を体験し知ることが出来るのが良いところだ。
    シャルルの隣ではローランが籠に手を伸ばし、一つみかんを取っていた。オレンジよりも柔らかい黄色を纏った小さなみかん。ローランの大きな手で摘まれると、マスターの手のひらサイズだったみかんは大変小さく見えた。
    そのみかんを潰さないよう、優しく指を実の底の中心に差し込んで、皮を外側へと捲っていく。回しながら繰り返し捲って、全て剥けた皮を机に戻して房を割った。一粒摘んで口へ入れる。小さいのですぐ食べ終わってしまうようで、次は二粒の塊にしていた。
    温かいこたつにひんやりと冷えたみかん。相性は良く美味しいようで、口元を少し緩ませながらもぐもぐとみかんを楽しんでいる。

    そんな機会を見逃すアストルフォではない。

    「ローランローラン!ボクにもみかんちょーだい!」
    「あ?ほら」

    目をきらきらと輝かせてはしゃぐアストルフォに、自分で取れば良いのでは?と顔に書いたローランは、少し首を傾げながらも籠から一つみかんを取った。それをそのままアストルフォの前へと置く。
    そんなローランの行動は当然であるのだが、アストルフォにとっては要求内容が違ったらしい。

    「そっちじゃなくて、それがいい!」

    ぶんぶんと大きく首を横に振って否定すると、顔をみかんの入っている籠でもローランの顔でもなく、ローランの手元を見つめた。
    それとは、ローランが剥いたばかりの食べかけのみかんである。

    「自分で剥けよ」
    「えー!?だってだって!ボク今寒くておてて冷たいんだもーん!こたつから離れられなーい!!」

    何を甘えているんだとローランが呆れた顔でもう一粒自分の口にみかんを入れれば、アストルフォは意地を張ってぎゅっと身体を丸め縮こまった。
    縮まりつつ、こたつの中では手足をバタバタさせて振動でこたつが大きく揺れる。当然アストルフォの隣に座るローランの足にも被害大だ。

    「あーもう暴れるなって、ほら」
    「あーん♪」

    アストルフォの甘えに諦めてローランは食べかけのみかんから一粒摘むと、アストルフォの口に放り込んでやる。
    暴れることを止めたアストルフォは、要求通りに食べさせてもらって満足そうに口をもぐもぐさせていた。
    全く、と呆れながらも、自分ももう一粒食べようとみかんを摘んだところで

    「あーん」

    そんな声が反対隣から聞こえてきた。

    見ればシャルルが、アストルフォの真似をして開いた口をローランへと向けていた。

    「って、何やってんですか大将」
    「何やら楽しそうだからな、オレにも一口くれ」
    「いや届くでしょみかん」

    正方形の机なのだ。ローランが届くなら二人だって届くのである。当然だが。
    だが面白がっているらしいシャルルは、行儀の悪さに対する抵抗などは今はどこかに置いてあるらしい。アストルフォのノリに乗って、我儘を聞いてくれないローランにアストルフォの真似をしてこたつ内で暴れ始めた。

    「オレも食べたいー!」
    「あぁもうはいはい分かったから!!」

    そういうとこは楽しんじゃうんだからなぁ。
    きっとここがシャルルの部屋で、今は自分たち三人しか居ないからこんな姿を晒しているのだろう。乗ってやるのも臣下の努め甥の努め。
    一粒摘むと、目を閉じて待ってるシャルルの口へとそっと入れてやった。ぱくりとみかんを受け止めると口を嬉しそうにさせながら咀嚼し始める。

    これはまたくれと言いそうだな。察してローランはもう一つみかんを取り皮を剥き始めた。今日はこのノリに乗ってやろう。そんなつもりで。

    「そういえば、今日はそっちの姿なんだな」

    もぐもぐ、ごくん。飲み込んだシャルルは属性をセイバーにしているアストルフォに尋ねた。
    ピンク頭を揺らす度に跳ねる黒いウサギの耳。そのことに触れてもらえて嬉しそうにアストルフォは胸を張って答えた。

    「うん!だって今年はボクの年だからね!!」

    マスターに教えられた日本に伝わる干支の話。新しい年を迎え、今年は兎年と言われたのを思い出す。

    「いやお前の年ではないだろ」

    一つ剥き終わってもう一つ。皮の剥き終えたみかんを手に取り、今度は二粒取ってシャルルの口へと餌付けしながらローランはツッコんだ。

    「いーじゃん!!ボクが似合うんだから、ボクの年で!!あ、ローランも着る?一緒に着ちゃう??」
    「着ねーよ!!誰が着るか!!」
    「んーじゃあ逆バニー的なとこいく?」
    「いやいかないし着ないって」
    「えー何恥ずかしがってんの?いつもすっぽんぽんになってるのに」
    「いつもじゃない!あれは開放感を求めてのだからいいの!!その格好は合わないし微妙な布面積は逆に着づらいだろ」
    「えぇーそうかな?すっぽんぽんよりは断然こっちの方がいいと思うけど…」

    そんな何とも言えない討論をぶつけ合ったところで、アストルフォは今度は正面の主へと話題をぶつけた。

    「ねーねーシャルルはどっちが良いー?」

    おかわりのみかんをもぐもぐと楽しんでいたシャルルは、振られた話題にパチクリと瞬きをすると、考えるように視線を違う方に向けながら口の中のみかんを咀嚼する。もぐもぐもぐ、ごくん。飲み込んでから、うん、と考えを定めたらしいシャルルはアストルフォを見つめ返して答えを出した。

    「すっぽんぽんは困るな!」

    その答えに、それは当たり前じゃーんとアストルフォに正論を言われてしまった。

    「じゃなくて、ローランが着るならボク的な格好か逆バニーか」
    「シャルルに質問しといて着るのオレか!!?」
    「んーーーー、どっちも……悩むなぁ」
    「そこは悩むところじゃないんだなぁ大将」

    どっちも嫌だと否定するところだ。

    「えー?外で服脱ぐのは困るけど部屋ならまぁ……折角ならうさ耳も捨てがたい……服、服なぁ」
    「いや気持ち悪いからどう考えても!!というか着ないから!!」

    「いよっし!!じゃあボクが逆バニーで作ってってお願いしてくるー!!」
    「あ!?おいコラ、アストルフォ!!!!」

    待て……

    慌てるローランの静止の声と手は虚しく空を掻き、速足ウサギはプシュンと気の抜けた音と共にドアの向こうへと消えていった。
















    「どっちがいいか悩むな〜」
    「まーだ言ってた」

    夜。寝ようとベッドに入ったところでお誘いを受けたローランは、頭上からの呟きに口元を引き攣らせた。
    自分をベッドに押し倒しているこの状況でまだ昼間のことを考えていたのか。いや今になって思い出しただけかもしれないが、あんな提案ローランからしたら無しの無しである。
    だが目の前の恋人からしたら、ふと思い出してはまた悩んでしまうくらいに魅力を感じた案件らしい。何故だ。あんなに布面積が危ういものが良いなら全裸も良しで良いじゃないか。思っても言わないのは、この雰囲気の中で重い拳骨を食らいたくないからだ。若干雰囲気が霧散しかけてるようにも感じるのは、肝心の相手がうんうん悩んで手が止まってしまっているから。

    だってなぁ、なんてまだ悩んでいるらしいシャルルに少し痺れを切らしたローランが、どっちも一緒だろあの服か逆バニーなら…なんてボソリと呟いた。
    そのぼやきが聞こえたようで、シャルルが少しムッとした表情を浮かべた。

    次の一瞬。目の前のシャルルの身体が淡く光ったと思ったら、ローランの視界の両側に降りる黒い影。

    「……こちらの姿と先程の姿、どちらが好みかお前は選べるか?」

    それは以前、再臨する前の姿と後の姿を比べて尋ねた時にローランが「選べない!!」と赤面で絶叫していた問い掛け。

    「そ、その姿はズルい……!!」
    「あはは」

    案の定顔を真っ赤にして選べなかったローランに、それと一緒だよとシャルルはからかい混じりの笑みを零す。
    少し拗ねたような表情を浮かべる真っ赤な顔の恋人に、愛おしそうにそっと顔を寄せていった。
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