Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    Ghwei_ning_si

    かわいそホムホムとしあわせリヴリヴのたのしいくらしの文章置き場

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 9

    Ghwei_ning_si

    ☆quiet follow

    なんかでかいモモスとそれを飼う「俺」の話です 雑にリヴリーを飼っています

    俺とリヴリー 起床は少し早めの十二時過ぎ。寝る前に傘を干したせいで少し隙間の空いたままだった西向きのカーテンから少しずつ暖かな日が差していた。
    「ぷっぷー」
     だからか、お前がわざわざベッドを登って俺の腹の上に転がってるのは。
    「お前は自分の体重で泣いてる俺の腹の声が聞こえんのか」
     俺は自分の腹の上に転がるいきものの丈夫なモップかってぐらいに伸びた青い体毛をかき分け、その奥にあるずいぶんと指を沈ませる豊かさを蓄えた尻を抱き上げ膝に下す。
     このちょっぴり贅沢なクッションとプライズ品のでかいぬいぐるみの中間ぐらいの大きさのいきものは、ずいぶん昔に大学の同級生から譲ってもらったリヴリーのモモスだ。本当は机の上やミニチュアの中で飼育できるような小型なペットらしいのだが、どうも俺が適当に育て過ぎたせいでずいぶんドでかくなってしまった。卒業後リヴリー好きが高じてリヴリーの研究所に就職した奴に写真を送ったら流石に嘘だと言われたが、これがホントなんだな。
    「聞けっ、俺の腹の声を聞けっ」
     モモスの耳をぴよぴよとつまみ、たぷたぷの顎と一緒にデフォルメされた象のような鼻をつまんでまんまるの後頭部に腹を押し付けてやれば「んぷぷ……」と声が漏れる。どうだ。休日に無意味な早起きをして無駄に腹をすかせることの何と無意味なことか。
     手を離せばここぞとばかりに日差しで暖まった布団の方に向かおうとするモモスの尻を無意味に持ち上げて引き戻してみたり、嫌がられて尻尾の攻撃をもらってみたり。たとえ休みだからって平日夜以上にする事の無い人間がこんな昼間にする事なんてこんなものだ。
    「……ぷぷぅ」
     不満げな声を漏らすモモス。おおモモス、お前は主人の前では無力ないきものよ。仰向けにさせてずんぐりした胴のあたりを緩く揺さぶってみると短い手足を突っ張って俄かに抵抗の素振りを見せてきた。
    「無駄無駄無駄ァッ」
     俺は揺れ動くモモスの腹に顔をゆっくりと埋め、肉の隙間に息を吹き込む。
     ぶぶ、ぷぷっ。
    「んぷぷ……ぷぷぷぅ……!」
     くすぐったそうに身を捩るモモスに更に追撃を加える。ぶぷ、ぷぴぃ。間抜けな屁のような音が部屋に響く。ぷきゅ、きゃ。そこにモモスの笑い声が重なる。
     見たか。これが俺必殺の""モモスあやし""だ。これは何年か前に酔っ払った俺がモモスの腹でモモスの鳴き声を再現しようとして生まれた技で、俺のモモスはこれに非常に弱く人間でいうくすぐりのような効果がある。布団の上であっけなく青天井を仰ぐモモスに俺はガッツポーズ。人間様の勝利だ。

    「ところでその人間様は腹が減ったのだが、モモスくん君はどうかね」
    「ぱぷぅ」
    「そうかそうか。それならこれを授けよう……ほりゃ」
     俺はベッドの下に放ったままのコンビニ袋から食パンの袋を取り出し、ちぎった耳を自分の口に放りながら白い部分をむしって丸めてモモスの方に転がしてやる。
    「ぱっぷ、ぱぷっ、っぷ!」
     するとむく! と起き出し上がったモモスはシーツの白に同化したパンの欠片を探そうとわずかに残ったリヴリー的本能をフル活用しふんふんと鼻を鳴らす。そうして見つけたパンを小さな口に頬張りむしゃむしゃと頬張り、自慢げにこちらを見てくる。
     つぶらな瞳の愛い奴め。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🍞🍞🍞🍞🍞🍞🍞🐘🐘🐘💖🍞🍞🍞🐘💘
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works