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    こんぺいとう

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    こんぺいとう

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    《キミsta》Pretty Pink
    凛唯 : 君の唇に落とす、
    ※付き合ってる二人


    キミsta開催、ありがとうございます✨
    短いですが、楽しんでいただけたら幸いです!!

    2022/12/17

    #スタオケ
    #凛唯
    #キミsta
    kimiSta.

    Pretty Pink「…凛くーん…」
    「ちょっと!もうすぐ出発の時間なんだけどなにして…」
    「…口紅、買い忘れちゃってた…」

    オケの練習も、ポラリスの仕事も、珍しく何も無い貴重な休日。
    待ち合わせをした菩提樹寮のラウンジへなかなか現れない待ち人に、凛が痺れを切らした始めた、そんな時。
    待ち人が己を呼ぶ声に、少々怒りっぽく振り向けば、想像とは正反対のどんよりと曇った顔がそこにあった。
    思わず口をつぐめば、唯の泣きそうな瞳がこちらを見る。

    「く、口紅…?」

    唯が力なく、コクリと頷く。
    そう言えば、先日より「口紅買わなきゃ」と言っていたのを思い出す。
    その後の詳細は聞いていなかったが、どうやらそのまま買いそびれていたらしい。

    「どうしよう…」

    凛は、まるでこの世の終わりだと言わんばかりの表情で落胆している唯をじっと見つめる。
    服は、以前一緒に買い物へ行った時、凛が選んだスカート。
    髪も緩く編み、口紅以外のメイクもいつもの彼女よりしっかりと施されている。
    それもこれも、唯が自分との時間を楽しみに準備していたのだと思うと、無性に愛おしさが込み上げてくる。

    口紅、ねぇ…

    ふと、絶望する唯の横で、ある記憶を思い出す。
    機会が無くて、すっかり忘却の彼方に消えていた存在。

    「…ちょっと待ってて」
    「え…?」

    疑問符を浮かべる唯を残し、自室に戻って目的のモノを見つけると、再び唯の元へ戻った。
    変わらず不思議そうな唯の前に、今取りに行ったばかりのモノを差し出す。
    唯は手のひらの上のそれを見て、きょとんと目を瞬かせた。

    「…口紅?」

    凛をじっと見上げる瞳に浮かぶ、濃い疑問と驚きの色。
    無理もない。
    それは可愛らしいパッケージの繰り出すタイプの口紅で、およそ凛が仕事や普段使いするようなリップとは明らかに違っていた。

    「これ、どうしたの?」
    「…ポラリスをイメージキャラクターで使ったブランドコスメのサンプル。ずっと前にもらって忘れてた」

    唯は興味深げに口紅を見つめている。
    口紅の下部分を回し、リップ部分を伸ばすと。


    現れる、淡いピンク


    「…わぁ、かわいい」

    花開くように輝く、唯の顔。
    唯の素直な反応に、思わず笑みが零れる。

    「…良かったら、使ってよ」
    「え…でも、」

    困ったように眉を下げながら見上げる唯に、苦笑を返す。

    「僕が持ってても仕方ないし。現に今まで忘れてたくらいで…それとも、気に入らない?」

    意識して悲しそうな表情を作れば、案の定、唯は大げさなくらい大きく首を横に振った。

    「…じゃあ、もらってくれるよね?」

    唯は少しの躊躇の後、持っていた口紅を愛しそうに見つめ、その表情をパッと輝かせた。

    「うん…凛くん、ありがとう」
    「…っ、」

    その目が眩むような微笑みに、思わず言葉を詰まらせてしまう。
    それは反則…
    どこか悔しそうな凛の表情に、唯は不思議そうに首を傾げている。


    見惚れていた


    と、言おうとした口が、愉しそうな弧を描いたのが自分でも分かった。


    …良いことを思い付いた


    唯の頬に手を伸ばし、顔を近づける。

    「…ねぇ、口紅、僕が塗ってあげる」

    文字通り目と鼻の先、唯の顔が驚きに固まる。
    今が好機とばかりに、そんな唯の手から口紅を奪い取った。

    「あ…ちょっ、凛く…」
    「大丈夫、任せて」

    慌てる唯の肩に手を置き、にっこり微笑む。
    唯は言葉を詰まらせると、降参と言わんばかりの諦めの溜め息をついた。
    耳まで赤い顔が、こちらを見上げる。
    しばらく見つめあっていると、唯の瞳がゆっくりと閉じられた。



    思わず、息を呑む

    それは、まるで口づけを待っているかのようで



    高鳴る心臓も、震える右手も気づかぬふりをしながら

    そっと、淡いピンクを君の唇に




    今度こそ本当に見惚れてしまった。
    ゆっくりと開かれた唯の瞳が静かにこちらを見つめる。


    少し困ったような微笑む君が、



    「……似合う、かな?」
    「………、」




    林檎のように染まる頬が

    微かに潤む、その瞳が

    君の唇を彩る、可愛らしいピンク色が





    僕を誘うから

    君の唇に落とす、ピンクと甘い口づけ





    「…凛、くん…」
    「ゴメン…我慢、出来なくて」
    「…っ、」
    「…ねぇ、買い物、また今度にしようか?」
    「…え?」




    だって、君を見ていたら

    いつだって、どこだって


    口づけを落としたくなるから





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