make-made「【器用さ】ってさ、儲かりそうだよね〜」
そうボクに話しかけてきたのは、ハトラさんだった。『ちゃん』とか『くん』とか呼ぶことが多いボクの中で、男の子か女の子か分かってないから、ハトラ『さん』。
「うーん、まぁ、そうかなぁ」
ボクは曖昧に答えた。
ヌビアの子───またはヌビア学研究員────くらいしか立ち入らない、研究所内のフリースペース。その自販機でコーラを買って飲んでいたときのことだった。
ハトラさんは、ボクの座るベンチの隣にドッコイショと座る。
「甘い飲み物、好きなのかな〜?」
「うん。炭酸大好き」
「クフフ、太るよ〜?」
「大きなお世話ー」
ボクは、ぷーっと頬を膨らした。
どうも、ヌビアの子は痩せ型だったり筋肉質だったりする人が多い。ボクだってそんなに派手に太ってるつもりはないけど、ヌビアの子の中だとベスト・オブぽっちゃり体型になってしまう。だけど、食の趣味を変えるつもりはない。
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