Recent Search

    i_hakumei

    @i_hakumei

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 15

    i_hakumei

    SPUR MEおっパブで働く蔵っちと水上の謎パロ。水蔵と言い張っていますが恋愛色はほぼ無いです。
    おっパブの蔵内君 人生何があるかなんてわかったもんじゃないと言うが、それにしたってこれは、わかっていた方が怖い類いの出来事だな、と水上は天を仰いだ。頭上では黒い天井に高級ホテルのラウンジにでもありそうなシャンデリアが橙色に光っている。全体的に薄暗い店内は席ごとに四角く区切られており、そのうちの一角で水上はバレないよう気をつかいつつ小さな溜め息をこぼした。水上と同じブースには、彼の他に、初対面の男性二人と、今日ここに自分を連れてきた職場の上司が座っており、男四人でビールとつまみではなく、見るからにお洒落そうなカクテルやフルーツの盛り合わせを囲んでいる絵面は、はっきり言って相当シュールだった。そのうち二人はこの店側のキャストというのがより混沌を極めている。まるでホストクラブのような雰囲気、というかまさしくそうで、もっと正しく言うならば、この店はセクキャバ……より性的なサービスをウリとしたキャバクラ……つまり、おっぱいパブ(通称おっパブ)の男性版だった。要は客が酒を飲みながら男性キャストとお喋りしつつ、胸を揉ませてもらう店というわけである。なんで俺がこんな魔境に……と入店早々虚無の境地に達した水上は、出された酒を気つけ薬代わりに口にすると、テーブルを挟んで向かいに座る職場の上司をじろっと見た。水上をこの店に連れてきた張本人は、すでに自分の横に座るキャスト相手に歓談をはじめていて、水上のことなど眼中に無いようである。くっそー、こいつ、こんなよぉわからん店に人を引っ張ってきておきながら一人鼻の下伸ばしやがって、と内心上司をなじりつつ、そのまま酒を呷る。すると自分の隣に座っていた男が、「酒はあまり一気に飲まない方がいいですよ」と酒を飲ませて酔わせてなんぼの店のキャストらしからぬことを言い出した。
    8414