うさぎリンゴクランクアップした日の夜更けに微熱がでた。ピンと張っていた糸が切れたように緩んだ心身が、今こそ休むべしと訴えているようだ。こんなときは素直に眠るに限る。十分に休息を取れば、またすぐに元気になると分かっているヴァンは、朝食も食べずに眠りこけていた。
目を覚ましたのは昼前だった。今日は1日休みやから、もっと寝てまおうか。そやけど、もぉ飽きたなぁ……ぼんやりと天井を眺めているとノックも無しにドアが開いた。
「――起きてたか」
ノックせずにドアを開ける人物は1人しかいない。大和だ。だが、こんな真っ昼間になぜ寮にいるのだろうか。ヴァンが起き抜けの働かない頭で見つめる。
「おれも今日はオフだぜ」
「嘘やろっ!?」
ヴァンが跳ね起きた。
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