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    銀鳩堂

    ここには草稿をポイポイあげて、溜まったら整えてpixivやカクヨムに移植しています。
    ツイステ二次創作小説の長編案が降りてきたので現在は主にそれを書いてます。
    pixiv⇨https://www.pixiv.net/users/68325823

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    銀鳩堂

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    ヤンクロ第4話「復讐の始まり」TEXT版
     城で姫の誕生を知ったディアヴァルは、マレフィセントにそれを知らせたが……。
     城門の前の戦いとマレフィセントの最期から時を遡ること十数年前。大鴉のディアヴァルの回想は続く。

    ※クロウリー学園長の過去話(捏造200%)連載中。完走したら多分あちこち修正入れます。このパートのインスパイア元は映画「マレフィセント」ですが、このシーンは捏造です。

    #ツイステファンアート
    twistedFanArt
    #ディア・クロウリー
    dearCrowley.
    #クロウリー
    crowley.

    ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第4話「復讐の始まり」 ディアヴァルは、先程みた光景に釈然としない思いを抱いたまま、漆黒の翼を駆ってマレフィセントの元へと急ぎ戻った。
     ディアヴァルの話を聞いたマレフィセントは、これは好機かもしれない、と言った。人間どもは王女の誕生を祝って宴を催すだろう。そのときに、復讐のチャンスが訪れる、と。
    「あの男は、どうして怒っていたのですか?子どもが無事に産まれたら、普通は喜びそうなものですが」
     ディアヴァルの疑問に、マレフィセントは吐き捨てるように答えた。
    「跡継ぎになる男児が欲しかったのだろうよ。あの男らしいわ」
    「でも、男の子じゃなくても子どもは子どもですよ。跡継ぎってなんなんですか? 人間の考えることはよくわからないな……」
     なお釈然しゃくぜんとしない様子のディアヴァルに、マレフィセントは噛んで含めるように答えた。
    「人間の男は、自分の財産や地位を男の子どもにだけ継がせる。女の子は、王になれない。結婚して婿をとらねばならないし、そうなると自分の子では無い者が王になることになる。それがさぞかし嫌なのだろうよ」
    「人間って、おかしな生態をしているのですね。カラスの常識とは随分違う」
    「そうね。お前達カラスの方が、よほど愛情深く正直でまっとうに生きているわ。強欲な人間どもとは大違い」
    「人間の習性はなんとなくわかりました。カラスの俺には理解は難しいけど、そういうものだってことにしときます。それで、子どもが産まれたことがどうして復讐のチャンスになるんです?」
     怪訝けげんな顔のディアヴァルに、マレフィセントが返した返事は恐ろしいものだった。
    「あの男の大切な物は何もかも奪う。そういうことよ」
    「……望んでいなかった子どもでも、大切な者なんですか?」
    「大切な、物、よ。あの男には娘なんて政略結婚のこまに過ぎないでしょう。それでも失えば惜しい駒には違いない」
    「本人に直接復讐すれば良いのに」
    「あいつを殺してしまったら、私の翼の隠し場所がわからなくなってしまうわ。じわじわ苦しめて、翼を返させるのよ」
    「そうですか……。でも産まれた子には罪はないのでは?」
    「そうね……。でも、どうせ駒としてしか扱われない子よ。待ってるのは幸せじゃない。束縛だけだわ。だったら私の駒になってもらいましょう」
    「そうですか……」
     内心で、そんな方法で翼を取り返せるのかなぁ……、と思いつつ、彼は返事を濁して口をつぐんだのだった。
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    銀鳩堂

    PROGRESSヤンクロ第二部23話。
    後のクロウリー学園長=大鴉のディアヴァルの物語、美しき女王編の23話。七人の小人たちが小屋へ戻ってくる!女王の扮する老婆は危機を告げるディアヴァルに促されてその場を逃げ出したが…。(本文約2600文字/今回、豆知識はお休みです)
    ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部㉓話「老婆と七人の小人たち」 ディアヴァルにかされて、老婆にふんした女王は森の中へと走り込んでいった。
     ディアヴァルが空に舞い上がって偵察してみると、木立の隙間からちらちらと、小人ドワーフたちが転んだり滑ったりしながらも家を目指して走っているのが見えた。あいつらあんなに足が短いくせに、なんであんなに早いんだ? それなのに、老婆の姿の女王は早く走ることが出来ない。早くも息をはずませて、苦しそうに走っている。ディアヴァルは女王の直ぐ側まで舞い降りると、枝から枝へと飛び移りながら女王の後を付いて行った。
     女王は森の踏み分け道を走って戻っていく。その後ろから、大声で叫ぶ怒った小人ドワーフたちの声がかすかに聞こえ始めた。このままでは追いつかれてしまう! どうすれば良いのだろうか? ディアヴァルは女王のそばを離れ、小人ドワーフたちの方へと戻っていった。
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