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    銀鳩堂

    ここには草稿をポイポイあげて、溜まったら整えてpixivやカクヨムに移植しています。
    ツイステ二次創作小説の長編案が降りてきたので現在は主にそれを書いてます。
    pixiv⇨https://www.pixiv.net/users/68325823

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    銀鳩堂

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    ヤンクロ第二部25.5話。
    後のクロウリー学園長=大鴉のディアヴァルの物語、美しき女王編の25.5話。
    山火事回の前に入るべきパートです。書き忘れて山火事回を公開しちゃって、後から追加で書きました。支部に移植するときに調整します。(本文約1100文字)

    #ツイステファンアート
    twistedFanArt
    #ディア・クロウリー
    dearCrowley.
    #クロウリー学園長
    crowleyPrincipal.

    ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部25.5話「悪の女王」 妖精の森から舞い戻ったディアヴァルは、カラスの姿で村や町、城の中を飛び回り、聞き耳を立てて歩いた。
     そして、スノーホワイト姫が隣国の王子に見初みそめられて結婚することを知った。人間たちはみな、姫の結婚の発表で祝賀ムードに包まれていた。
     この国は新たな王を迎えることになるのだ。隣国の王子は、姫をめとることでこの国の王位も継承することになる。
     美しい姫とりりしい王子のカップルはお似合いだ、さぞよい治世となるだろう、と人々は口々に噂するのだった。
     その一方で、ハントマンが姫を殺そうとして果たせなかったことは周知の事実となり、姫本人や小人ドワーフたちの証言から、姫に毒りんごを食べさせた老婆は女王の化けた姿であろうと噂されていた。
     そうでないなら、なぜ女王は消えてしまったのだ? 無実なら彼女は今も城に居て、民を治めているはずだ。
     亡き女王は、もはや賢く美しい統治者とは見られなくなっていた。その美貌に嫉妬して姫を亡き者にしようとした悪の女王と噂されるようになっていたのだ。
     彼がその噂を初めて聞いたときは、怒りが湧き上がってきてこらえきれず、そのへんの木の枝をむしって投げ捨てて怒りを発散した。
     彼女はあんなにも一生懸命この国のために尽くしていたのに。最後の最後に過ちを犯してしまったのは確かだけれど、それまでの功績まで無かったことになってしまうなんて不公平ではないか。
     あの時と同じだ。マレフィセントが死んだあとも、人間は勝手な噂を作り上げて吹聴ふいちょうし、マレフィセントを極悪非道な悪役ヴィランにしてしまった。彼女だって裏切られ翼を奪われた被害者だったのに、そんなことはお構いなしだ。ただ一度の過ちで世紀の悪役ヴイラン「茨の魔女」の出来上がり。人々は無責任に噂を広め、酒場では酒のさかなにし、子どもを寝かしつけるときにはその名を使って脅すのだ。「早く寝ないと茨の魔女がさらいに来るよ」と。
     いまや美しき女王グリムヒルデは、「悪の女王Evil Qeen」と呼ばれ始めていた。もう誰も彼女の名を口にすることはない。まるで名前を口にすれば、呪われるとでも思っているかのようだった。
     心底忌々いまいましく腹が立ったけれど、この国を滅ぼすことは出来ないし、するつもりもなかった。それはこの国を愛したあの女性ひとの意志に背くことになるだろうから。民草が彼女を悪の華と呼び、恐れ憎むようになったとしても、彼らはその手を汚したわけではない。
     だが、あいつらは違う。女王を崖から追い落として殺したあいつらは。
     彼には、最愛の人を奪った奴らを許す気は、断じてなかった……。
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    銀鳩堂

    PROGRESSヤンクロ第6話「極光は宵闇を照らす」TEXT版
    大鴉のディアヴァルの回想。王女の誕生を知ったマレフィセントはオーロラ姫に呪いをかけたが……。

    ※クロウリー学園長の過去話(捏造200%)連載中。完走したら多分修正はいるかも。このパートのインスパイア元は映画「マレフィセント」。今回は映画のネタバレ特盛(この辺は原則映画のストーリーに沿うので)。改変捏造もあるので何でも許せる人だけでお願いします。
    ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第6話「極光は宵闇を照らす」 大鴉おおがらすのディアヴァルの回想。プリンセスの誕生を知ったマレフィセントは姫に呪いをかけたが……。


     城の中、王は落ち着かない様子で部屋の中をあるきまわっていた。
    「マレフィセントめ……。わしの道をことごとく邪魔しおって! 呪いを避ける道は無いものか」
     王は立ち止まって顎髭あごひげをしごき考え込む。と、突然その目に強い光が宿り、顔を上げてぶつぶつとつぶやき出した。
    「……そうだ! 国中の糸車を焼き捨てるのだ! そして姫を隠してしまえば良い……! 隠す……どこへ……? そうだ! あいつらだ! あいつらに責任を取らせよう。同じ妖精のしでかしだ、あいつらに尻拭しりぬぐいしてもらおうじゃないか。誰かある! ここへ三妖精を呼べ!!」
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    銀鳩堂

    PROGRESSヤンクロ14話「決戦」TEXT版
    魔力が暴走しドラゴンへと化身したマレフィセント。魔法の武具を手に入れたフィリップ王子。二人の激突が迫る。

    ※クロウリー学園長の過去話(捏造200%)連載中。このパートのインスパイア元は映画「マレフィセント」ですが独自の世界線へ入ったため捏造特盛。ツイステ要素あり。何でも許せる人向け。
    ※第一話と被る内容あり。矛盾も発生しているので統合版で要調整です。
    ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第⑭話「決戦」 フィリップ王子と三人の妖精たちが城の前に駆けつけた時、城の人々は既にみな眠りに落ちていたが、ドラゴンと化したマレフィセントはなお咆哮を上げ魔力を解き放ち続けていた。
     毒々しい黄緑の霧が城門から吹き出し、爆風の余波に乗って吹き付けてくる。が、王子が美徳の盾を掲げると霧は盾に跳ね返されて消えていった。
     フォーナが目に涙をためてつぶやく。
    「マレフィセント……。なんてことなの、あんなに魔力を使ったら死んでしまうわ……」
    「もう遅いわ……。あれじゃもう元には戻れない……。王子、せめて彼女を止めてあげて下さい」
     と、メリーウェザーが言った。
    「そんな! もう望みは無いというの!?」
     とフォーナが言い返す。
     その時、皆の前に飛び出した小さな影があった。
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