飼われる男 第三章飼われる男 第三章
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堕ちた星の礫が彼らを焼いた。
再生の理は乱れ、陥落した王都では今もまだ不死者が渦巻いていると聞く。
星読みの儀が遣損じてから、二年の月日が経っていた。
「──止めるッ!」
受けた剣先が高い音を鳴らし、銀白の髪が搖れる。
不意を付くよう伸びた拳は偽作であり、重く伸びる脚技を受け流す。
ぽつりと季節外れの驟雨が訪れ、男は構えを解いた。
未だ濡れた肩で息をする奴隷の青年とは違い、青磁色の鱗を見せた主人の男にはまだ余裕があるようだった。
「アルフェン、強く降る」
「まだ俺はやれる」
「片付けろ」
「……わかったよ、ジルファ。早く帰ろう」
遷都された土地へ商人と冒険者が動くように、彼らも拠点を移動させていた。
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