酩酊×墜落……予定地。 ステージ上の踊り子が優雅に腰を折ると同時に、サーカステントの裡には万雷の拍手が沸き起こる。
降り注ぐ歓声の雨を踊り子が存分に浴びた頃、唐突にステージの照明が落とされた。
観客席から拍手の音が引き、代わりに突然訪れた暗闇へのどよめきが走る。
パッ、と空中ブランコの台上へとスポットライトが当てられた。
そこにはよく似たステージ衣装を着た二人の少年達。
何やら言い争いをしている彼らの影が伸び、映写機の様に殊更大きくテントの内布へと映し出された。
――お馬鹿デ間抜けな「マティ」! ステージに立つノはスタァの僕だけデ充分デショ!
――……うるさい、うるさい! 「ルイ」なんて私がいなければ何も出来ない癖に!!
1914