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    shido_yosha

    @shido_yosha
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    shido_yosha

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    青白く光る、無機質で、窓のない空間。生物の気配は一切排除され、楕円形のガラス製のプールが床を占拠している。貯水槽を満たす無色透明の液体は、微量の電流さえ伝える電解質が配合され、半永久的に潜水できる酸素濃度が保たれている。人間の深層心理を顕現させるミヅハノメの中枢。
     わたしは水底へとつながる白亜の階段をおりる。肩と腰が露わになったデザインのスイムスーツは撥水と伸縮性に優れ、白地に緑色の電極が取り付けられている。この宮殿も正礼装もわたしのために作られていてる?
     頭上のスピーカーから、
    「カエル、やれるか」
     と、あのひとの声がする。私は耳にかけた防水性のマイクへ是を答える。
    「よし、鳴瓢を準備させろ。『飛び降り』のイド構築後迅速に投入」
     平素、蔵の外でのあのひとは、敬語と敬称を欠かさない親切な人柄だ。しかし職務中となるとわたしやパイロット呼び捨て冷然と指示をくだす。おそらく前局長からくりかえし教育されたのだろう。わたしを自我ある生命体ではなく、世界を出力する機構として扱えと。そしてそれは半分正しい。
     鎮静剤が効いてきたわたしは微睡む。わたしの役目は、連続殺人鬼達の殺意が顕現した世界、「イド」をつくること。その世界でわたしは「カエル」と呼ばれ、迅速に死ぬ。わたしはダイイングメッセージをのこし、名探偵と呼ばれるパイロット達が謎を解くことで、現実の犯人を捕まえる。
    「『カエル覚醒』まであと10秒。9、8、7……」
     わたしは目を瞑る。わたしの脳が自由と混沌の異土を産み落とす。


     話は三ヶ月前に遡る。
     草木も眠る丑三つ時。浴衣の裾からのびる足首を夜風が撫でた。縁側に座った飛鳥井が月を見上げていると、
    「眠れませんか」
     と同じく浴衣姿の男性に声をかけられた。屋敷の主、百貴船太郎である。飛鳥井は現在、彼の邸宅に居候をしている。飛鳥井はとある特異体質をもち、百貴とはそれを発端にした事件で出会った。
     飛鳥井には物心ついたときから自分の思考を他人へ共有させる能力がそなわっていた。力は年齢とともに増長し、自分の無意識が他人のそれへと侵食するまでに拡大。彼女のみる悪夢が周囲へ伝播して二度の集団昏睡事件が発生するにいたった。混乱に乗じて拐われた彼女は、警察組織「蔵」の持つ建物の最上階に収容・休眠させられ、連続殺人事件の捜査に利用されてきた。
     しかし近年研究が進み、覚醒中でも他者への侵襲性を下げられる技術が開発された。くわえて同時期、パイロットであり服役囚であった鳴瓢秋人の刑期が満了をむかえた。「善良な市民」を拘束し強制的に捜査へ協力させることは違法であるため二人は解放され、一時蔵は停止。飛鳥井と鳴瓢は落ち着く先が見つかるまで、局長たる百貴の家で暮らしているのである。
     飛鳥井が、
    「すみません。睡眠薬が効かなくて」
     と謝罪すると、
    「謝ることではありません」
     と百貴が否定した。
    「いえ。それが、」
    「はい?」
    「掛け布団を破いてしまって」
     目を丸くする百貴。だがすぐに、
    「うなされたのですね」
     と眉をひそめる。飛鳥井は再び、
    「ごめんなさい。もう見る必要のない夢と理解はしてるんですけど」
     と息をするように詫びてしまう。
     もともと飛鳥井は残酷な悪夢ばかりをみるわけではなかった。しかし蔵の前局長である早瀬浦宅彦、別称ジョンウォーカーによって、猟奇殺人者達の無意識を共有させられ、夢の中で惨たらしく殺され続けることで根深い心的外傷を植え付けられてしまった。百貴が首を振る。
    「あなたは決して悪くありません。悪いのはジョンウォーカーと殺人鬼達だ。眠ろうとして焦る必要もありません。そうだ、少し待っていてください」
     何事か思いついた様子で立ち去る百貴。五分ほど戻ったきたとき、彼が携えていたのは耐熱ガラス製のマグカップとぬいぐるみだった。百貴は隣に腰を下ろし、飛鳥井へ渡す。
    「桂花茶という名の中国茶です。カフェインは含まれていません」
    「綺麗な山吹色……ありがとうございます。いい香りですね」
    「金木犀の花を緑茶の葉とあわせたお茶です」
    「キンモクセイ…?」
    「秋に咲く橙色の小さな花です。可愛いらしいですよ。こちらはぬいぐるみのピポ丸くん」
    「ピポ丸くん、さん」
    「警察庁のマスコットキャラクターです。あいにく、腕に抱ける柔らかな物といえばこれしかなくて。良ければ友人にしてください」
     飛鳥井はぬいぐるみを膝に乗せ、両の掌でカップを包んだ。ついぞ感じたことのないぬくもりだった。飛鳥井は、
    「……すみません、お世話になるばかりで」
     と、また謝ってしまう。本当は自分のいたたまれなさより感謝を伝えるべきなのに。
    「気にしないでください。あなたなんか全く手のかからない方だ。鳴瓢の伸びやかさを見習ってもいいくらいです」
    「そう、ですか」
     飛鳥井は、この優しいひとに何か返せたらいいのにと思った。能力が封じられた今、有害性とともに有用性も消失した。もはや自分は何も持っていない。あるのはこの、はた迷惑な大脳と貧弱な肉体だけ。
     百貴が、はたと、
    「飛鳥井さん。髪に羽毛が」
     と手を伸ばした。飛鳥井は思わず、びくりと震える。百貴の手がとまった。
     固まった飛鳥井が視線だけ動かすと、黒々と長い髪に真っ白な羽根が絡まっていた。
    「……あ……」
     反射的にとはいえ、このあたたかな人を拒んでしまったことに気付く。「ごめんなさい」と喉まで出かかったところで、
    「すみませんでした。つい」
     と百貴が立ち上がる。
    「破けた掛け布団は部屋の隅によけておいてください。新しいのを置いておきます」
     穏やかで、隙のない口調。飛鳥井が謝罪しないための配慮だ。百貴は過去、飛鳥井がどんな暴行や凌辱を受けてきたか知っているのだ。
    「おやすみなさい」
    「はい。百貴さんも」
     浴衣を着た背を見送って、飛鳥井は髪の毛から羽根をとりあげる。闇に浮かぶ翼の一欠片は、あまりに頼りなく儚げで。飛鳥井は強く人形を抱きしめた。

     翌朝、食卓へ赴くと、百貴が鳴瓢へ箸を突きつけている場面に遭遇した。二本の縞黒檀の先端にはほうれん草の白和が挟まっている。
    「食べなさい、鳴瓢」
     と命令する百貴。しかし鳴瓢はそっぽを向き、
    「腹一杯です」
     と拒否をする。
    「大きくなれないぞ」
    「充分体デカいんで」
    「人間的にだ」
    「はいー?」
    「あの、」
     百貴と鳴瓢が飛鳥井のほうへ振り向く。飛鳥井が、
    「おはようございます」
     と挨拶すると、二人が、
    「おはよう」
    「おはようございます」
     と目元を綻ばせた。飛鳥井が座席につくと澄ました顔をして諍うのをやめる。十年近い交わりだと聞いたが、ほんとうに仲がよいようだ。
     味噌汁を飲み干した百貴が、
    「鳴瓢。この前求職すると言ってたがどうなったんだ」
     鳴瓢は湯豆腐をつつきながら、
    「お父さんみたいですね……?今のところ警備員と興信所と書籍店で探してます」
    「興信所は探偵っぽいな」
    「でも興信所の仕事って、もっぱら浮気調査とペットの捜索なんですよね」
    「ペットはともかく、お前、浮気相手殴ったりしないか」
    「し……ませんよ。やだなぁ」
    「間があったぞ、今」
    「飛鳥井さんは退院してすぐ絵描きはじめてすごいですよね。以前も画家として食べてたんだよね」
     突然話を振られた飛鳥井は、土鍋で炊かれた白米の美味しさに感動していたところだったので、
    「……んっ、ふむ。」
     と反応が遅れる。百貴と鳴瓢が小さく笑った。付き合いが長いと笑い方も似るのだろうか。飛鳥井は口内の食物をお茶で飲みくだし、
    「画家というか、フリーランスのイラストレーターをしていました。今度はデザイン事務所に応募しようかと思ってます」
     腰を上げた百貴が戸棚を開く。そして、
    「焦らなくていい。此処にはいたいだけいてくれていいから」
     と茶筒を取り出した。
     食後、鳴瓢が、ふと、
    「最近金縛りにあうんですよね」
     とほうじ茶をすすった。急須を傾け茶を注ぐ百貴が、
    「ほんとうか。俺もだ」
     と返す。鳴瓢が不思議そうに、
    「金縛りって十代から二十代に好発してストレスや疲労、不規則な睡眠リズムで起きるっていうじゃないですか。原因に思い当たる節がないです」
    「ああ。蔵が稼働してた時のほうがずっと忙しかったものな」
    「はい。あの、意識は明瞭なのに身体が動かなくて息苦しいのが苦手なんですよね。俺を押さえつけて首絞めてくる奴がむかつきます」
    「入眠直後、通常はノンレム睡眠で始まるはずがレム睡眠から始まることがメカニズムだったか。レム睡眠による筋肉の弛緩を幻視、つまり夢を生みだして理由付けしてしまう」
     飛鳥井が湯呑みをコトリと卓に置く。
    「夢……。わたしのせいでしょうか」
     咄嗟に互いの視線を合わせる鳴瓢と百貴。つづいて真顔で、
    「いや、実はすごく失職のショックがきてる」
    「俺も蔵の整理が忙しくて睡眠不足なんです」
    「ごちそうさまでした」
    「ごちそうさま」
    「食器置いといてください。俺が洗います」
    「助かる。お前もスズさんのお見舞い来るんだよな」
    「はい。木記ちゃんも定期検診があるんだよね。一緒に行こう」
     己が非を疑う優しさと飛鳥井の力が漏れている可能性を否定できない理性。飛鳥井は黙って頷くほかなかった。
     そのとき。一本の電話が百貴の携帯を鳴らした。通話ボタンを押し、「はい百貴です」と応える百貴。その顔がさっと青ざめる。
    「福千が高層ビルから転落した?」
     ぞくりと嫌な気配がその場を這った。

    「連続殺人鬼『飛び降り』か。小春くんからきいたよ」
     富久田が飛鳥井の髪にヘアアイロンをあてながら訊きき返す。飛鳥井はなるべく頭を動かさないように、
    「はい。病院へ搬送された福千さんが握っていた物品をワクムスビにかけたところ、殺意が採取されたんです。それで、近頃都心で多発する投身自殺に事件性があることが疑われました。でも福千さんは強く頭をうって、意識不明の重体だそうです」
    「生存者はいるけど証言がとれないのか。小春くんから、ワクムスビは事件性があるかどうかのスクリーニングにために利用されはじめてるとは聞いたけど。潜らないの?」
    「それが……鳴瓢さんが」

    『駄目です』
     憤りを孕んだ眼差しが噛み付かんばかりに反対を唱える。
    『飛鳥井さんが居なくても……無関係な女性を犠牲にしなくとも、捜査はできるでしょう』

    「相変わらず尖ってるねぇ」
    「現在百貴さんやワクムスビに詳しい元井戸端スタッフさん達が捜査協力をされているそうです」
    「それで『飛び降り』なんて蔵っぽいあだ名ついてるんだね。引っ越しの準備は進んでる?」
    「はい」
    「そういや何で局長の家を出たいんだ?」
     カールした長い髪を編みながら富久田が訊ねる。飛鳥井は、
    「これ以上迷惑をかけたくないんです。あのひとは東郷さんと交際していたとききました。わたしがいては邪魔になります」
    「ふうん」
     富久田は「できたよ」と飛鳥井の肩をたたき、キッチンへ去った。
    「コーヒー飲むかい?」
    「はい。いただきます」
     トポポポ、とお湯の注がれる音。まもなくして珈琲豆の苦い香りが室内にただよう。蔵停止後、富久田は仮釈放され現在本堂町と暮らしている。異動した本堂町が警察官の職務を続けるあいだ富久田は日がな家にいて、飛鳥井が訪ねれば勉強を教えてくれる。
     近頃は授業が終わったあと髪を結ってくれるようになった。最初は、
    「あんた俯いて集中してるとき、髪の毛食ってるよ」
    と輪ゴムをくれたことが始まり、それが今では、
    「小春くんが喜ぶから練習させてくれ」
     といろんなヘアアレンジしてくれるようになったのだ。
     ダイニングテーブルに、ふたつの象牙色のマグカップがふたつとビターチョコレートの包みが置かれる。
    「ありがとうございます。いただきます」
     と飛鳥井は手を合わせる。
    「俺は珈琲のほうが好きだけど、室長の家ではいろんなお茶出てくるらしいね」
    「はい、好きな茶葉の種類や産地について教えてくれます。貴方の家で淹れてもらう珈琲も美味しいです」
    「そっか。あんたがいなくなったら局長の茶飲み友達が減って寂しがるな」
    「……貴方は反対なんですか」
    「いやぁ、どうでもいい。俺は他人の迷惑より、やりたいことをやって、やりたくないことは極力やらないタチだ」
    「やりたいこと……」
    「でも、ほんのすこし救われたのはな」
     と富久田が頬杖をつく。
    「俺が頭に穴を開けてまわったとき、死なせた奴もいるし、丸く収まった奴もいるってことだ」
    「……説得力がありますね」
    「いちおう人生の先輩だからな。まぁ、気楽にいこうぜ」

     陳列棚の最上段に納められた絵具を取ろうとして踵を上げる。しかし身長が足らず、飛鳥井は、諦めて鳴瓢を探すことにした。
     四階建ての大型画材・文具店といえど、彼が興味を持ちそうな場所には心当たりがある。階段で一つ下へ降り、美術書籍コーナーへ入る。案の定、薄紅色の頭をした男が本棚を埋める背表紙を眺めていた。飛鳥井は彼の袖を引っ張り、
    「すみません、高いところの絵具を取りたいので、四つん這いになってくれませんか」
     鳴瓢は神妙に頷き、
    「俺より脚立に乗る方が安定してると思うよ」
     と答える。
     「……盲点でした」と素直に驚く飛鳥井。鳴瓢は、
    「やらされたことあるの?」
     と心配する。
    「すみません、わたし実地経験と対人関係が偏っているので思いつきませんでした」
    「ジョン・ウォーカーの紹介してきた奴はろくでもないのばかりだったしね。のびしろがあるのはいいことだ。っていうか、」
     と鳴瓢が歩きだす。
    「俺がとるよ。油絵コーナーは上だっけ」
     フロアをぬう通路は迷路のように複雑で狭く、二人並んで移動することは不可能だった。飛鳥井は彼の後ろを追いかける。ステンカラーコートをなびかせる背が、
    「富久田にあげる絵描くの?」
     と訊ねた。
    「はい」
    「仲良いね、あいつと」
    「夏祭りへ行った日以来なにかと構ってくれます。勉強とか、お洒落とか」
    「うん、その髪型、すごく可愛いよ。俺は不器用だから羨ましい。でも富久田が木記ちゃんの絵が好きなのはお世辞じゃない」
     古びたエスカレーターに乗り、モーターの鈍重な回転によって階上へ運ばれる。
    「俺、芸術の素養ないけど、俺も木記ちゃんの絵好きだよ。俺たちが長らく木記ちゃんの無意識で浸ってたから親和するのかもしれない。でも誰もが持つ心象風景のなかに、普遍的な孤独と静かな慈しみを感じる。……着いた。どの棚?」
    「こっちです。これの、一番上の左から五番目」
    「青色ってこんな種類あるんだ。いち、に、さん……」
     腕を伸ばす優しい背中は、まるで父か兄のようだった。実際は、自分の家族とはとうに絶縁状態であるから、ノスタルジーを抱くとしたら幼少期遊んでもらった歳上の男の子か。しかしその追憶が自身のものであるという確信がもてない。自分が蝕んだ誰かの記憶かもしれない。
     口をついたのは、考えるより先にあふれた閃きだった。まるで満ちたコップから、ふわりと水がこぼれでるように。
    「あの。わたしがまた『カエル』をやるって言ったら、鳴瓢さんも『名探偵』してくれますか」
     ぴたりと鳴瓢の動きが止まる。
    「……どうして」
    「わたしがやりたいんです」
    「なんで」
    「上手く言えません」
     鳴瓢が振り返る。彼は戸惑っていて、嬉しいとも哀しいともとれる表情をしていた。
     鳴瓢はインディゴブルーの絵具を差しだす。
    「なら、教えて」
     飛鳥井は彼の手を握る。意識の深海へ沈む。
     そこは永遠の黄昏の世界。紺、青、紫、桃、橙の階調が天空を彩り、地面は果てしない水鏡。穏やかで暖かくて、誰も害されない境界線。
    「君が痛い思いをする」
     酒井戸が顔を歪める。
    「その前にあなたが助けて」
     カエルが微笑む。
    「クソ野郎を見つけることなんかのために君の命が使い捨てる必要は絶対ない。君は生きていてくれさえすればいいんだ」
    「生きてたよ。死にたいくらい生きるのが辛かった。それをあなたが救ってくれた。今度はわたしの番。ひとの役に立ちたいの」
     酒井戸の格好をした鳴瓢が手で顔を覆う。ジョン・ウォーカーによって同じ変質を遂げさせられた二人。同じ気持ちを抱いていることを誰より互いが知っていた。
     元凶たるジョン・ウォーカーが消失しても。飛鳥井木記が能力から解放されても。イドへ潜れば寿命を縮める負荷がかかると知っていても。謎と自由に満ちたあの苦界を焦がれてしまう。救おうとすることで救われたいと願ってしまう。漫然と平凡を生きるだけでは満たされない餓えがある。カエルの姿をした飛鳥井は鳴瓢の身体に諸腕をまわす。
    「あなたと冒険がしたいの」
     
    『やぁ。生きているところを見つけるのは初めてだね、カエルちゃん』
    『随分お待たせしました。俺と外へ出ましょう。紅茶はお好きですか』
    わたしが目を覚ましたとき、ふたりのナイトが跪き手をとり笑ってくれたのだ。次はわたしが彼らを──。

     わたしは目を瞑り、全身の力を抜く。水底へ沈む刹那、
    「必ず捕まえてくださいね」
    「はい。女王さま」
     わたしは微笑んで意識を手放す。
     わたしはイドを海遊する両性類。陸とプール。現実と虚構。イドと超自我。世界中と融けてひとつになれる
    心躍る悪夢をあなたと。
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