アドベント・カレンダー ネクの部屋のデスクセットに、4つだけ爪の折られた卓上カレンダーが置かれている。赤を基調にして賑やかなクリスマスの絵柄で彩られたそれは、友人から半ば押し付けられるようにして貰ったものである。
さて今日は何を想って跡をつけようかな、とネクは考える。カレンダーを友人から貰い受けた際に、彼は送り主と小さな約束を交わしていた。
RGに戻って以来、ネクは人との触れ合いを求めるようになっていた。コンポーザーに用意された日常生活 — 居場所を用意された高校に通い、週末になればシキと約束を取り付けるか、そうでなければビイトに声をかけた。ともに街に彷徨いに出るか、そうでなければビイトの部屋にそれとなく現れて何をするでもなく時間を過ごす。その日は一番最後のパターンだった。
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