杉下んちの厄介ジジイ「イ!!てめえジジイに何か吹き込みやがったな!?」
「は」
登校するなり深海色の髪を振り乱して杉下は言った。いや、吠えたが正解だろう。歯を食いしばり、目を見開くまさに威嚇をして窓辺に座る桜に吠えかかった。しかし桜は吠えられる理由が特に思い当たらなかったので、ただ杉下に朝一番で吠えられたという印象だけがあった。すう、と桜の目が据わり、地を這うように「なんだてめえ」と杉下を睨みつける。
「喧嘩売ってんなら買うぞ、あ?」
「てめえじゃねえなら誰がいんだよ、あ?」
まさに一触即発。クラスメイトたちはせめて流れ弾は喰らうまいとそそくさと二人から遠ざかる。
「てめえは本当に要るところまで端折りやがってよ。言葉にしなきゃわかんねえことってのはあんだよ、ボケ。梅宮に聞かなきゃなんもわかんねえのか?あ?」
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