最近嫌な夢を視る。
夢だとわかるのは、あの日見た背中越しの最期の雷撃がリフレクションするからだ。何度も何度も彼の死に際を見させられる。そうかと思えば場面が変わり、本部の廊下で彼に「いつも頑張ってるのはわかってるぞ。その調子でな」と優しい声色で頭をぐしゃぐしゃと撫でられる。見送る後ろ姿が遠い。遠い。
待ってください。
掃討作戦に参加しないで。
あれは罠なんです。
喉から血が出るくらいに必死に大声で叫びながら駆け出しても背中は遠くなっていく。意味のない行動だと頭では理解していても、身体が反射的に彼から死を遠ざけたくて叫び続ける。
だが、またあの雷撃のシーンにかえってくるのだ。
雷の音はシデンの心を掻き立てる。