夕焼けサンセット! 第2話 放課後、1年生の教室前。ざわめく後輩たちを掻き分け、目当てにしていた彼の近くに歩み寄る。それも2年生の3人で。
「なぁ、その…いきなりなんだけどバンドやらねぇ?」
怪訝な顔をしてこちらを見てくる。なるほど美人というのは確かに言えて…じゃなくて。
「ベースがめちゃくちゃ上手いってしいた…椎屋から聞いてたんだ。どうかな」
よねぞうがとてもカッコよく勧誘している。通りすがりの後輩女子がキャーキャー言っているのが聞こえた。…かわいいとかなんとか…。
「たけるさん?」
オレとよねぞう、ちらりとしいたけを見る彼は、何か思いついたのか思い出したのか()口元に笑みを浮かべて
「いいよ」
と一つ返事で頷いた。
え?
「ほっ、ほんとに良いのか?」
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