キスしても出られない部屋【藍嶺】「んっ……、ちょっ……、ぁ……」
ちゅ、ちゅ、とリップ音が何度も鳴り、嶺二の耳を擽る。
待って、止まってと口を挟む隙もなく、軽く触れては深く繋繰りと、それは永遠と繰り返されていた。
そろそろ呼吸も苦しくなり、助けを求める様にトントンと相手の身体を叩けば、反論する様に口内の弱いところを舌で強くなぞられてしまう。
「んんっ!!」
たまらず嶺二の身体から力が抜ける。するとそれを分かっていたかの様に、嶺二を抱きしめる腕の力強くなった。嶺二とそこまで変わらない体格のはずなのに、どこにそんな力があるのか。
酸素不足で潤む瞳で見上げれば、翡翠とターコイズをとかしたような綺麗な瞳と視線が絡んだ。
力が抜けクタリと腕の中に収まっている恋人を、その綺麗な瞳に映して、愛おしそうに目を細める。
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