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    seki_shinya2ji

    @seki_shinya2ji

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    seki_shinya2ji

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    ※宮宮
    ※まぁこうなるよね

    無題「治を駄目にした」と連絡を受けた侑。いつもの如く、北のセーフハウスで待っていたらこれだ。カッと血が頭に昇る感覚の後は覚えていない。地下へのエレベーターすら待つのが億劫だった。

    「サム!」

    いつになっても治のことを心配する。侑のことを心配する治も時々いるが、稀である。「侑は死なない。俺が死ぬまで俺が死なせないから」というのが理由だ。
    一目散に助手席の扉をあけた侑。治の姿は北によって元あったように戻されたが、肌が見えている箇所が少し。そして精液独特の匂い。スナによって負わされた怪我の数々。ぐったりとしているようでただただ寝ているだけの、無防備な治がある。侑はとりあえず脈を確認しようと首筋を晒した。しかし、その手は脈を計ることはなかった。首にできた手形。
    見るやいなや、北に掴みかかった。

    「何しとるんですか」

    侑の怒りはいつでも苛烈だ。そしてそれは目に良く出る。初めて出会った時もそうだった。その目が北にとって決定打になったと言っても過言ではない。今でも変わらないらしい。ヤクザとしては半人前ではあるが、最も人間らしい。

    「……どうもこうも。治がやって欲しい言うたからな」
    「冗談言わんでください。サムが?北さんに?んな訳あらへん」
    「ホンマや。治が言うた」
    「嘘や」
    「嘘ちゃう」
    「嘘や!」
    「うるさ……」

    車が激しく揺れた。声が地下駐車場に木霊する。その衝撃で治ら目を覚ました。

    「サッ、サム!サム!」
    「なんやうるさい……」
    「おまえ、北さん、お前、北さんに!」
    「んぅ……?」
    「北さんに!首絞めらせたんか!」
    「…………おん、言うたで」

    あっけらかんと寝ぼけ眼はそう答えた。愕然とした侑は手の力が抜けて北の襟を零した。反動で北は座席に臀を着いた。
    今度は治が掴まれた。それもその首を。つけられたアザを覆うように、隠すように、宛てがわれた。

    「……」

    治に驚いているような様子は特にない。その瞼は重たそうだ。まだ寝惚けているのか。それとも。いやこれ以上は野暮というものだ。そういうことにしておこう。

    「お前、お前、おまえ、よりにもよって、おれやのぉて……」
    「_____」

    キリキリと首を絞められてもなお、治は顔色を変えない。絞められるがままだ。声も出さなければ抵抗もない。その瞼は未だ重たげだ。

    「なんで、なんでおれやないねん。俺がおるんに、なんで北さん選ぶねん。アホサム。死ね。俺が。俺が、サムの手ェ引いて、地獄に行くんに。一緒に死のな言うてるやん。いっつも言うとるやん。やのになんで?なんで俺置いてけぼりで、死のうとすんねん。俺裏切るん?嘘つくん?おかしいやろ。おかしいよな?変やない?なぁ?ナァてサム。俺置いて死のうとすなや。ナァ。バカサム。アホサム。死ね。死ね死ね死ね死ね死ね死ね。許さん。俺、お前のこと、大嫌いや。お前なんかだいきらい。しね。アホ。アホサム。あ、ほ……?」
    「_____」
    「_____」

    北は声だけしか聞いていない。酒がないから煙草を燻らせている。2人の声が切れた。

    「______、___」
    「_____」
    「___」

    ゴッと音がした。鈍い音だった為北は流石に目線だけを寄越した。
    そこにあったのはいつの日にか見た、折り重なった2つの個体だった。重なり合って、溶け合って、1つになった個体。1つは大きく荒い呼吸をしている。もう1つは背中を大きく不規則に波打たせている。

    「……マズ」

    赤マルが初めて不味く感じた。
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    seki_shinya2ji

    DONE北組ネタ
    今日は特別暑かったから飯テロになれば……
    因みに今日は白ジャコの酢漬けでした。旨で馬でした。
    【北組】素麺と鯵の南蛮漬け思った以上に夏は、夜になっても寝苦しいくらい暑い。日中雨が降っても湿気の多い日本の夏は夜まで暑く感じる。西日がよく差し込む台所に居たのは治だ。
    治は料理が好きだ。料理人のように料理ができる訳ではないが、北組の中では台所の責任者である。衛生法を気にすることなく、好きな料理が出来るのは自由で楽しいのだ。いうなれば自由業の人間が極める自由が、料理なのだ。
    毎日料理をしている訳では無くても、この時間は直接的に北にも侑にも関われる時間だ。自分が好きな人は侑、そしてその侑は北が好き。好きという高校生同士の恋愛のようなモノではなく、魔獣を飼い殺しているような気持ちだ。治としては出来損ないの哀玩具が感情を持ってしまって魔獣になっているだけ、と理解している。そのため防波堤として料理があるのだと思っている。料理にはたくさん手順があり、没頭しやすい。アレをあ~してこ~して、とアレコレ考えている間に時間は過ぎてモノは完成する。そして完成したモノでみんなハッピー。怠惰を極めた料理で満足感を覚えるくらい、自分は駄目な人間になってしまったんだ、と諦めるのだ。
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