Recent Search

    seki_shinya2ji

    @seki_shinya2ji

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 49

    seki_shinya2ji

    PROGRESS完全オリジナルキャラ作品。10万字チャレンジの1/4。
    辻褄絶妙に合わないラフ状態なので、本にするなら加筆修正する。ただ本にするかは不明。どっちかと言うと、10万字達成されたら支部で全文公開する感じ。
    共犯 起反射的にスマホを落としそうになった。
    恩師が毒殺未遂事件に巻き込まれた、と分かったら普通の人ならどう思うのだろう。心配で頭が真っ白になって病院に走り出すか。それとも「もう何年も前に卒業してしまったから先生は覚えていないだろうな……」と杞憂するだけに留まるか。この質問に答えも何もない。なぜなら滅多にない出来事だからだ。ないようにするのが、この男の仕事であるというのは言わない約束である。

    男はその話を職場で聞いた。ほのかに薄汚れた職場の廊下の壁は若干灰色だ。そこに背中を預けて男2人は外を見ながら近況を報告して情報を交換していた。窓の外はオレンジ色ではある。もうすぐ、1時間もしない内に暗くなっていくだろう。少し薄くなったスーツに風が通る。僅かに肌に触れた冷気は風だったのか、冷房だったのか、それとも悪寒だったのか。男は正しく判断を下せなかった。それくらいには脳みそが混乱してたのだ。しかし男は「ああ、俺今混乱してんな」と、どこか他人事のように思っていた。妙に冷静である事が余計に混乱している事を際立たせている。
    23837

    seki_shinya2ji

    DONE元フォトグラファー現マネ侑×俳優兼配信者シンスケのギリ芸能人パロ
    ・侑北未満でも侑北っぽい表現があるようなないような、ないかも知らんけどエッセンスはあると信じてる。けど100日後に侑北になるような侑北
    ・もはや侑北になる序章って感じ?
    ・でも(ビジネスのために)同棲はしてる
    ・性癖詰め詰め
    #54【i to zコラボ】優勝したら寝れる【シンスケ/アラン】「シンスケさん入りま~す!」

    ダルいとは思ったことはない。これしかできないと思ったことを突き詰めた結果である。やるからには本気でやろうと決めた結果だ。どれだけ毎日目が回りそうに忙しくて、いつ寝ていつ家に帰ったのかも分からなくなったとしても、これを望んだのだから何の文句もない。

    「今日はエナドリのCMです」

    ただ、コイツはチャラついているとは思う。シンスケの地毛は白だ。後天的ではあるが染めてはいない。この髪も、シンスケのチャームポイントに還元できるのがこの仕事の強みである。しかしその白より派手に照明を反射しているのが、シンスケの隣に立っている金髪だ。
    目がチカチカする。誘導された先にあったグリーンバックの前に立ってみたらよくわかるのだが、照明に当たっていないのに眩しい。女性の音響さんやスタイリストにすり寄っているのもよく見える。いや、それをしているから目につくのか。
    13355

    seki_shinya2ji

    TRAINING名前が付けられるまでの話
    【北組】朧 名前のない存在は、この世にごまんとあるがそれは発見されていないから名前がない。発見されているのに名前がついていないものは研究中のものか、それか意図的に考えることを放棄されたものである。人間は、知らないものがあるとそれを知りたがる性質はある。「分からない未知の物」という結論が出るまで探求し続ける葦だ。
     しかし、この男は違った。
     母の顔を知らない。父の顔も知らない。自分に兄弟はあるのか。祖父母とは何か。そして、自分の名前は一体何なのか。全く分からない。そんな存在だった。
     目覚めたのは雨が降りしきる路地裏。中華料理屋と中華料理屋の間に居たことはそこら中に漂う油の匂いで分かった。
     一応検査の結果一般知識は認められた。そこそこに世の中のことは分かった。例えば時刻が分かるとか、中国の正式名称が言えるかとか、紙にあいうえおを書くとか。しかし自分が誰なのか、どこから来たのか、なぜあんな所で頭から血を流しているのか、全く思い出せなかった。持っているはずの免許証や保険証どころか財布や携帯電話すらない。あいうえおを書く時に「自分の名前を書いてください」と言われてボールペンが止まった。目の前で厳しい顔をして自分の身元の引き取り先について相談する医師と看護師をぼんやりと眺める日々が続いた。
    2736

    seki_shinya2ji

    TRAINING北さん目線の話
    【侑北】山吹色の鏡像が芽吹く時 侑は北にとって遠い存在ではなかった。
     ただ近くもない。
     隣にいるのに、隣にはいない。
     隣にいるのが侑であってもそれは侑ではない。
     例えるなら、そう、例えるなら。鏡の向こうにしか映らない存在。現実世界にはいない、それでも鏡の向こうにいる自分の背後には笑って立っている存在。見えていて鏡ごしには触れるような。
     北にとっての侑はそういう存在だった。
     
     春も桜が散ってしまった土曜の午後。練習はまだ続いている。北は三年生になった。侑たちは後輩を持つことになった。新体制とは妙な浮つきと緊張感のある距離を感じる。一年の緊張が三年にも移るが、一年に緊張するな、というなんてことは言えなかった。緊張して当たり前。泣くことが仕事である赤子に「泣くな」というようなものだと北は思っていた。浮つきは二年の間にある。後輩がきになるという好奇心が顔に出ている。角名はあまり興味がなさそうだがチラチラしていたのは雰囲気で分かった。銀は北の中では完全にムードメーカーであった。後輩に一番気を遣った声をかけていたし、後輩によく話しかけている。治は一切に興味がなさそうだ。それはそれだが声をかけてほしいなんて誰も頼んでいないのも事実。目線だけは送っているが、それが後輩を思いやってのものなのかは北には分からなかった。
    2484

    seki_shinya2ji

    DOODLEいつかに書いた人魚パロの1つの未来
    テーマ:花筏
    【治角名】赤いピンヒールは、そこで買おう夢と分かる夢を明晰夢と言うのは有名な話だ。
    治は滅多に夢を見ない。夢を見る体力を日中で使い果たしていることが多いためだ。特に今の時期は、スポーツ推薦で入学が決まっているバレーボーラーの卵たちが入学前にも関わらず練習に参加する。治や上のベッドで大いびきを掻いているその人も同じであった。当然角名や銀島もいた。先日卒業した先輩方がしてくれたように、最高学年になった治たちがその後輩の世話を、毎日している。主将となって自分のことで手一杯だからあまり気を使えない片割れに代わるように後輩のメンタルは治と角名が気にかける。新体制での連携も、一気に固めていかないとあっという間にインターハイは始まる。ゴールデンウィークの合宿で何人抜けるかにもよるが、駒はやはり選び抜かれた方がいい。なるべく今の段階でその芽を摘まないように大切にしていきたい、と言うのが治の考えだ。主将が何と思っているのかは言わずもがなだが、今年でバレーを辞めてしまう治の「ここでバレーのことを嫌いにならんといてほしい」というお節介が含まれていることを、承知してほしい。もちろん治も春休み練習に精を出してレギュラーであり続けられるようにしている。愛も変わらずハードもハードで、春なのにTシャツは2枚必要だ。
    2170