死なない悪魔と一国の忘れ形見彼女は贅沢な暮らしをしていた。両親は玉座に鎮座し、母の膝の上に居た。下でひれ伏す民衆が彼女の世界では当たり前の光景だった。全てを手に入れた両親の愛娘はきっと世界一の幸せ者だ。
しかし、その幸せが終わりを告げたのローバが8歳になった誕生日だった。荒らげた母の声で目を覚ます。ローバは直ぐ事の重要に気がついた。母は頭から赤い液体が流し、いつも綺麗だった煌びやかな服は血や土埃で汚れてしまっていた。
「逃げなさい」
奥の隠し通路に押し込まれたローバは素直には聞けなかった。
「父様は」
「父様は今戦っているわ。私も父様のところに行くから」
「でも」
「いいから逃げなさい!」
また荒らげた声を出した母に怯えてしまうローバ。母は無理やり笑顔を作り
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