「ご、め〜ん!」
やっちゃった、と語尾には星でもつけそうな高い声音とウィンクしもってマスター、立香の元に現れたのは魔女、キルケー。
………と、その足元には彼女の呪いによって豚の姿と成り果ててしまった誰か。
現在「ぶひ」と一声鳴くのみなので、当然立香からの質問等に答えられる訳もなく。
私室の扉を開けたばかりの立香は、普段はなるだけ温厚に務めようとしている表情が盛大に顰められた。
「…魔女さま、」
「いやいや、事情の説明からさせて貰うとだね!?シュミレーションで派手にやっちゃったってかさ、つい力んじゃったというかね?」
声が普段よりも低くなる。
その様にキルケーは慌てて両手を振り、珍しくご機嫌ナナメなマスターに事情を説明を始める。
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