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    hana_tulip

    デジタル勉強中のアナログ絵描き兼文字書き。

    🌟の二次創作メイン。

    卿ぽよ,dmsd,mtkbメインのバルポポ,ddwd,ddポポも少し。

    最近は一人称メインのお話が多いです。




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    hana_tulip

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    mtkb。
    蜂蜜の日(ハニーの日)に合わせた甘いおはなし。

    少し遅刻しましたが完成しました。

    相変わらずの語呂合わせの文字あそびが大好きな文章です。
    (今回は蜂蜜、恋人、日付を意識しています)

    #メタカビ
    Meta Knight/Kirby
    ##メタカビ

    honeyコロン…と口の中を転がる蜂蜜味の飴を舐めると私はいつも君の事を思い出す。


    ----------------------


    「飴…だと?」
    「うん、メタはいつも忙しそうにしているんだもん。君は集中していると絶対に食事を取るの忘れるでしょ?飴なら嵩張らないし日持ちするし、…何せ糖分だよ?仕事中にとれば作業効率アップ間違いなしだよ!」
    「作業効率…か、良く知っていたな…。」
    私がそう言うとカービィはデデデやバンダナに教えて貰ったんだ!と得意気なポーズをしてみせた。この様子だともしかしたら良くわかっていないのかもしれない…。

    「だから、これ。あげる!!」
    そう言って取り出したのは蜂蜜入りの小さな飴。
    可愛い小瓶に小さな飴が沢山詰まっており、瓶の中でキラキラと輝いていた。
    「これ凄く美味しくって、メタナイトも喜ぶかな~って思って用意したんだ。」
    飴と同じようなキラキラとした瞳で自信たっぷりに答えるカービィを見て私も仮面の下で笑顔をつくる。
    「なら…いただこうか。君のおすすめなら間違いなく美味しいだろう。」

    小瓶を貰って蓋を開ければふわっと蜂蜜の甘いかおりが私の周りに漂う。そのままの格好で食べるには流石に無理があるので仮面を上に少しずらし、一つ口の中に入れてコロコロと転がす。
    「……程よい甘さだな…。私の好きな味だ。」
    私がそう呟くと、
    「でしょでしょ!?でね、そのまま舐め続けてると中から蜂蜜がトロって出てくるんだよ!」
    あ~、ボクも食べたくなってきた~。という声が聞こえたので思わず
    「なら君も食べれば良いではないか。先程の瓶の中にまだ………」
    と言いかけた私の唇はいつのまにか柔らかい彼女の唇に塞がれていた。
    ころん…と私の口内で転がっている飴を割り入れた彼女の舌が優しく撫でる。
    次の瞬間、ぱき。と薄い飴の膜が壊れる音がして口の中に蜂蜜の甘さが勢いよく広がった。

    「ん…っ!」
    「わわ…っ!!失敗しちゃった……、ほんとなら飴を貰おうと思ってたのに……。」
    あまりの出来事に驚いたのか、先程までくっつけていた唇を離して語り出す彼女に『彼女らしいな』と思い笑みが溢れる。
    「あっ!メタナイト!今笑ったでしょ!!あ~ん!もう少しで割れるっていうあの感触が好きだったのに~!!ボクの口の中で君の仮面を割るときみたいなスリルを味わいたかったのに~!!」
    悔しそうに彼女が語った一言が私の逆鱗に触れ、さっきまでの柔らかい空気が一変する。

    「その言葉、聞き捨てならんな。その行動と私の仮面を一緒にされるのも困るし、そのようなスリルを私の仮面を割ることに求められても困る。」
    少しイライラした自分の向かい側で、普段ではあり得ない程真面目な顔をした彼女がぽつりと呟いた。
    「……だって…………飴って言ったら……君でしょ?」
    「…は?」
    「飴は………ボクと君が初めて出会った時の……大事なアイテムなんだよ…?身近に飴があることでボクと君があの時からずっと繋がってるって思うのは…そんなに駄目な事なのかな…?」
    「カービィ……。」


    夢の泉に向かう途中の、あの出来事を覚えていてくれていたのかと思うと感慨深かった。
    それと同時に訳のわからない彼女の持論に疑問符を浮かべたうえに、飴に対する彼女の気持ちや思いもわからない己の創造力の無さにショックを隠せなかった。

    「…でもいいよ。わかってくれたんでしょ?ボクの気持ち。その顔見ればわかるもん。今の君、『しまった!』っていう顔してるから。」
    「…はは、全く…君にはかなわないな……。」
    思わず飾らない自分の本当の笑みが出る。

    「ふふっ……やっと本当に笑ってくれたね。……っていう事で……さっきの飴……もう一回舐めて?」
    「…なんだ?もう一度私と口付けをしたいのか?」
    「………だって……舐めている間に段々舌が痛くなるんだもん。……でも真ん中の美味しいところは欲しいし…。」

    そんな風に甘える彼女が可愛くて
    「…わかった。丁度良い頃に合図をするからその時に君から口付けしてくれると良い。」
    と言いながら私は飴を自分の口の中に放り込むと、「……意地悪……。ボクだって……少し……恥ずかしいんだからね……。」と言いながらも、彼女は私の唇から一瞬も目を離さず私が合図するまでじっと見つめて待ってくれていた。



    ----------------------

    「……この仕事が落ち着いたら……カービィ、君に会いに行こうか。そして今度は2人でこの飴を買いに行こうな。」
    そう呟きながら私は空になった小瓶をじっと見つめた。
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