胃袋だけじゃ足りない 好きな人の心を掴むには、まず胃袋からーー。
食べることが大好きな想い人の為に猗窩座はひたすら料理スキルを磨いた。その熱意は凄まじく今では和、洋、中、だけでなくデザートまでお手の物だ。
「君は本当に料理上手だな!」
うまい、うまい、と上機嫌で食べる顔が可愛くてたまらない。見つめる猗窩座の頬は緩みきっていた。
「…杏寿郎への愛がこもっているからな」
プロ顔負けな俺の料理は杏寿郎を虜にしているはずだ。今なら言える。
頑張れ、俺。
「…俺がずっと旨い飯を食べさせてやる!だからっお、俺と付き合ってくれっ!!」
沈黙が怖い。震える手を落ち着かせながら杏寿郎の答えを待つ。
「…………それは頼もしいな!宜しく頼む!」
1813