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    ピカ留。

    こんにちは、サークル「ピカピカ山」のピカ留。です。

    2023/11/25の WEBオンリー【うちのお隣はREN♥獄家 陸】 様に参加させて頂きます。

    ※以前未完成版をUPしたものを完成版として展示しています。
    おまけ漫画を1p追加しました。

    イベント終了後はpixivにて公開予定です。
    どうぞよろしくお願いします。
    絵文字&スタンプすごく嬉しいので、よかったら押していってください!

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    ピカ留。

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    小説:『夏の日』
    レイちゃんが小説も書いてくれましたvどうもありがとう~!!
    ピ「もう秋だけどな!thanks~💓」 レ「フフフ…心を燃やせ…🔥永遠の夏!」

    夏の日 ◆ 灰語レイちりん──と。
    風鈴が鳴った。
    窓から、爽やかな夏の風が入ってくる。
    その風と共に、父上と──竈門炭治郎の声も運ばれてきた。
    中庭で神楽舞いの稽古をしているのだ。
    煉獄千寿郎は、纏めていた煉獄家の鬼殺資料を一旦机に置くと、暫し、風鈴の音に重なる、自分にとって最も大切な二人の者たちの笑い声に耳を澄ませた。
    無惨を討った後、呼吸の技は神楽舞いとして生まれ変わった。
    各々の呼吸の使い手が、技を取り入れた神楽舞いを完成させたのだ。
    煉獄家の《炎の呼吸》の神楽舞いは父上が完成させた。
    最後の務めだと笑った笑顔は、幼き頃に──母上と兄上がいた頃に見た笑顔だった。
    ──完成した全呼吸の神楽舞いを、一堂に会して披露することになったんです。輝利哉くんのお屋敷で──
    そう伝言を預かり、自分たちを迎えにきてくれた炭治郎は、明日、共に出発するまではと、父上と一緒に、神楽舞いの稽古に余念がない。
    暖かな炭治郎の笑顔は、いつも変わらぬまま。
    久しぶりに会えて嬉しいけれど、出発までに、輝利哉様に頼まれていた資料を纏めないといけない。
    ちりん──。
    また、風鈴が鳴る。
    これは、母上の部屋に下がっていたものを貰ったものだ。
    兄上が、「千寿郎の風鈴にするといい!」と言って窓にかけてくれた。
    母上をあまり知らぬ自分に、思い出すよすがとして。
    実際、母上の姿は朧気だ。でも、風鈴の音で呼び起こされる声がある。
    凛とした、でも愛情のある──母上が自分を呼ぶ声だ。
    ──千寿郎──と。
    思い出すと、慕わしさが溢れてくる。同時に、母上を失った寂しさと、自分自身への諦めも。
    顔立ちは、兄上や父上とよく似ているのに、剣士としての才能も、強靭な肉体も受け継がなかった。
    体質は普通の女性であった母上に似ていて、仕方がないことだけれど、悲しかった。
    戦えない母上に似た自分は、戦えない。
    ──そんなことはないよ。戦いかたはみなそれぞれだし、皆の思いは俺が戦いにもっていく──
    そう言ってくれたのは、炭治郎。
    そして、兄上が鬼に発した言葉を教えてくれた。
    ──強さとは、肉体のみに使われる言葉ではない──
    そうだ、兄上はそう考えてくれる人だ。そして、炭治郎もそうだ。
    ──自分の心のまま、正しいと思う道を進むように──
    それで、自分は、心が決まった。
    兄上は強い人だった。兄上は目標で、兄上の素晴らしさは、全て、煉獄家の血からきたと思っていた。
    でも、違う。
    兄上の折れない心の強さは、母上から受け継いだのだ。
    強さとは肉体のみに使われる言葉でないのだから、母上は強い人だったのだ。
    自分も強くあれるようになりたい。なるつもりだ。
    でも──と。
    少し、千寿郎は困ったような笑みを浮かべた。
    「……兄上、母上。僕は強くありたいと思っていますけれど……」
    天にいる二人に千寿郎は語りかける。
    強い炎柱としての矜持を失い、強い母上の思いを失った父上は、立っていられなくなった。
    亡き兄上の思いが届き、それを糧に本来の姿を取り戻すまで、とても時間がかかった。
    「……父上を絶望させた気持ちが、──今なら解ってしまいます……」
    炭治郎を失えば自分はどうなるだろう。
    「……そこは父上に似た、なんてないようにしたいです。だから、見守っていて下さいね。兄上、母上」
    自分は、自分のやり方で、これからの人生を、戦って生きてゆく。
    「休憩だ、饅頭を食べよう!」、と。
    大切な二人の、自分を呼ぶ大きな声が、中庭から聞こえてきた。


    おまけ 

    「……千寿郎は小さい頃に病で母を亡くしたせいか、妻が弱かったと感じている節があるが……あれは心の強い、信念をもった女だった……。千寿郎と杏寿郎は、心の在り方が、そんな妻に似ているのだ。……心の折れた、私とは違い……」
    「はい! 本当に、そうですね!」
    「………………そういうとこだぞ、炭治郎くん……」


    おまけ 2 

    「竈門様を迎えにやったのですか?輝利哉お兄様?」
    「資料も持ってくるようにお伝えしたのですか?輝利哉お兄様?」
    「うん。少しでも早く会いたいかと思ってね。それに、資料を纏めるのに時間がかかったら、泊まってくるだろうからね」
    「まあ、よいことをなさいましたね!」
    「本当に!」
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