九尾の日和と人の子ジュン「燐音先輩。」
「きゃはは!どうしたァ?ジュンジュンちゃんよお。そんなマジな顔しちまって。遂に俺っちにホレちまった?」
「人の子って大人になっても変化していくもんですよね?」
「は?」
日和が会合とやらで出掛けていると風たちが噂しているのを聞き付けた燐音がジュンで遊んでやろうとこの家に遊びに来たのが凡そ一時間前。ところが今日のジュンはどこか浮かない顔をしていて、いつもならやれやれと言う顔をしながらも燐音の悪戯や遊びに付き合うジュンだが今日はそれさえもなく、やっと口を開いたかと思いきや先の一言だ。
「ナニそんな当たり前のこと聞いてンだ?成長して老化して死んでいくっしょ?ニンゲンなんてモンはよォ?」
その当たり前さえコイツは知らないままここに来たんだっけかと燐音が思い直しているとジュンは「そっすよね」と知っていたような口ぶりで返して視線を完全に窓の外へとやってしまった。
3209