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    kabeutirst

    @kabeutirst

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    recommended works

    ほしいも

    DONE猗窩煉とアートギャラリー
    ■現代パロディ、恋人同士
    宇髄天元の個展に行く二人
    なんとなく、別に深い理由はない、ただなんとなく、港区がイケ好かない。港区なんて漠然とした事は言わない、六本木、特にこの六本木を好まない。オフィスにタワマン、繁華街ととにかくこの狭い一角に人生全てをぶち込んだ街。職住近、働きやすく、住みよい、そして夜は繁華街で派手に遊んで解放しよう!といったラッピング。全然好きじゃない。抽象的なことを抜きにしても、坂が多いっていうところも嫌いだ。
     ──何よりも、定期的にこの街を訪ねるとき、恋人が俺には見せない顔をしているのが気に入らない。

     普段はその肩を並べて歩く恋人が、この時は一歩だけ先を歩く。恋人に誘われて初めてあのギャラリーを訪ねた時、珍しく道案内を頼んだので、その名残りかもしれない。先を歩く恋人の髪が、歩みに合わせて左右に揺れている。急勾配をものともせずに進む姿に、改めてその恵まれた健脚に惚れ惚れとする。その一方で、手を伸ばしても届かない距離まで離れるのは堪え難く自分の歩調よりも少し速い歩みに合わせて追い掛ける。先に歩く恋人の姿を見上げると、真上にある太陽を背負って眩しいくらいで、目が焼けそうだと思った。太陽のような恋人の軽い足取り、気が急 4247

    ほしいも

    DONE卒業文集と猗窩煉
    ■現代パロディ

    学校の先生の煉獄くんと恋人の猗窩座くんです。
    0.7mmの太めのゲルインキボールペンが、丁寧に、慎重に、真四角に切り取られた名刺大の画用紙の上を走る。少しだけ右上がりの癖はあるが、とめもはらいも大胆で強弱の付きにくいボールペンでも不思議と筆書のような趣が見える。教本に載っているようなバランスの良い筆致だ。
    「何書いてるんだ。」
    「そくてんきょし。」
     三文字目の三画目、横一文字を引っ張ってペン先を離した隙に返事が届く。「則天去私」書こうとしている熟語の読みは分かった。俺が聞きたかったのは、なぜ恋人が居住まいを正して、息を止める程真剣に、良く分からない四文字熟語を小さな紙に書いているのか?という事だ。
     煉獄杏寿郎の書く文字は美しい。母親が書道の師範をしている影響は勿論あるのだろうけれど、それ以上に彼の心根の素直さや、快活で迷いのない性格が滲んでいるような字だと思う。筆圧が高く、ノートの端が丸まってくるのが悩みだとぼやいていたが、その濃い筆圧すら愛おしい。今だってボールペンを握る手に緊張も合間って必要以上に力がこもっている、桜色の爪の先がほんのり白くなっていて、一筆にどれだけ集中しているかが伝わってくる。

    「集中したら腹が減った! 1683