吸血鬼ちょぎくんと人狼くにひろくん身体が成長せず幼いままで何百年も生きている長義。そんな長義の屋敷に迷い込んだ幼い人狼の国広。国広は長義にすぐ懐いたが、長義は幼い身体ゆえに頻繁に長い眠りについていた。親しくなればなるほど別れの時が辛くなるのを長義は知っていた。
「おれはおまえとちがうんだ。ここにくるんじゃない」
冷たく付き返しても国広は長義の元を訪れた。長義は次第にうとうととすることが増えた。
「ねむたいのか?」
「……おれは……きゅうけつきだから、おまえよりずっとながいじかんねむるんだ…」
「そうなのか」
「……おまえはもう…ここにくるな……あしたきたら、きっとおれは……」
次の日国広が屋敷を訪れると地下の暗い部屋で静かに寝息を立てている長義がいた。大きなベッドに身体を横たえてすやすやと眠っている。国広はベッドによじ登り長義の横にごろんと寝転ぶ。
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