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    kaoruhana03

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    kaoruhana03

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    支部にあげる予定。
    トリスタ、ゴスフェのバトルシーン書きたくて書いてみました。

    君と本気で交えたい『……本気で殺す気、かよっ!』


    そう呟いたのは今更だろう。
    彼の口調は紛れもなく楽しむ感覚での
    ライトな声音で、僕自身もその熱量同等の
    同意をした事からが始まりだった。






    レベルが上がる程に、当たるサバイバーの吊回数は
    激減するのは確かで、上手くいかない儀式に対して
    僕は、苛立ちを隠せないでいた。


    そんな姿を誰かに見られるのは僕としては本位じゃ無く
    ゴーストフェイスに対しても同じくである。


    その為相部屋として過ごしている部屋に帰宅する回数が減った。
    レコーディング部屋、森、酒場、何かに託けて僕は至る所を転々として
    今、何度目かの霧の森奥で、適当に作った的に向かってナイフを投げていた。


    『正直、泥臭い姿を見せるのって何だかヤなんだよね……いつまで経っても
    ユンジンはそんな姿もファンは喜ぶ!とか昔言ってたっけ?
    でも、僕自身汗水垂らして練習する姿何て
    正直見て欲しいとは思わない……僕が舞台に立った時は完璧で居たい』


    ハァハァと切れた息を一度飲み込んで深呼吸をした後に
    ポツリそう呟いて、不意に投げたナイフが的の中心を射抜くなら、
    一人ぐっと拳を握り、滴る汗を手の甲で拭った。


    『でも、ただ揺れる的を射抜いたって普段の標的は動くから……。
    動きと逃げ場を予測しないと……ナイフを当てるなんて難しいだろうね』


    僕は、儀式場を思い出しながら棒切れを掴んでは
    地面にがりがりと覚えてる範囲での
    固有建築、ジャングルジム、等書き込んではどう動くかを想定してみるも
    結局は実践が全てであって、常状況は変わる事を認識してしまったなら
    ばたり、と両手を広げて地面に倒れ込んだその先に黒い足が逆さに目に入った。


    『ここに居たんだ?』


    『ご、ゴスフェ!?』


    僕は思わず跳ね起きてしまった。
    どうしてここが分かったんだろうと言う疑問は
    彼が握っているスマートフォンに答えがあった。


    『……まさかとは思うけどGPS様様とか言わないよね?』


    『ご名答。最近のアプリは便利だね』


    『普通のスマホなら圏外なのに、いつの間にか支給されたこのスマホ。
    なんの電波捕えてんだか……で?何しに来たの?』


    『珍しく汗と泥に塗れた君の姿を見たかっただけ』


    『喧嘩売ってる?』


    マスク越し、彼の口元が静かに笑ってる顔が想像できて僕は
    地面に胡坐を掻き直し乱雑に頭を掻いたなら、彼の顔を睨み付けてしまった。


    『まぁまぁ、そんな怖い顔しないでくれる?ねぇトリスタ。
    僕が君の練習に付き合ってあげようか?
    揺れるだけの的じゃ、何の成果も出ないだろ?』


    『はぁ?付き合うっても僕は、僕のナイフを使って練習してるんだよ?
    ゴスフェ刺されたいの?』


    僕はゆっくりと地面から腰を上げて、身体に付着した
    泥や埃を手で払い落しては彼へと向き直った。


    『はは、勿論分かってる。
    僕だって刺されたくは無いから全力で君を殺しにかかるよ?
    君も殺す気で僕を狙っておいでよ、どう?』


    言って居る事は常軌を逸しているが、
    彼の口調は至っていつも通りのトーンだ。
    彼自身が焦燥してるわけでもなく、何かに苛立っているわけでもなく
    ましてや何かに餓えてる感じもない。
    ただ、普通過ぎて正直違和感もある。


    だけど、僕の耳で聞く限り彼の口調に本気さは無く
    どちらかと言えば、楽しもうとしてる風にさえ聞こえた。
    僕は、多分彼に揶揄われているだけだろうと軽い気持ちで同意した。


    『君が言った事だから今更ナシとは言わせない……。
    君が僕のナイフで血だらけになる姿、見るのも良いかも知れないね??』


    『それは了承したって事でOK?』


    『"的に"なってくれるんでしょ?』


    『君が当てられればの話……だけどね?
    さて、トリスタ目をつぶって10秒数えてくれる?
    "的"としては、近距離だとつまらないだろうから、
    多少ハンディキャップは貰わないと』


    『いいよ、1,2,3』


    僕は感覚的にはゆっくりと10秒と言う準備時間を彼に与えた。


    『7、8、……10!どうせ、目を閉じてる僕が
    目を開いた瞬間バァ何て目の前に居る……あれ?』


    僕の予測は大外れした。
    彼のあの楽しむ様な声音はどうせ、
    僕を脅かす気満々だったんだろうと言う
    僕の考えは見事に打ち砕かれた。


    彼の姿は本当に森に溶け込んでしまったようで
    静かな森に一切の違和感がない。
    時折風が吹いて木々がざわめく以外、
    人の息遣い何て感じないほど
    ゴーストフェイスの気配が消えた。


    『ガチ隠密してやがる……マジで?』


    僕は辺りを見回し、それでも彼の姿を見つけられない。
    練習に付き合うという名目ならば彼の武器性能からして決して、
    遠くへ逃げるなんて事はしないだろう。
    確実に近距離へと攻撃を仕掛けない事には、
    僕の身体を裂くことは出来ないからだ。


    きっと、この付近に潜伏してる筈だと注意深く森の木々の隙間や
    幾つかの岩場に目を凝らすと、一部不自然に草が揺れたように見えて
    僕は静かに其処へと歩み寄り、木の幹に背を預け伺う様に
    そちらへと顔を向けた先には誰も……居なかった。
    緊張感が少し緩みフゥと吐息を漏らせ僕が視線を前へ戻した瞬間、
    浮き出る様に現れたゴーストマスクの白を認識した途端に、僕の右肩に鋭い痛みを感じた。


    『トリスタ……僕はここだよ、どこ見てるんだい?』


    『づァっ、ぐ!?嘘、前に……居た?』


    その痛みは明らかに手加減なしに、僕の肩を深く貫いた。
    僕は咄嗟に彼の腕を震える右手で掴み、左袖からナイフを滑らせ
    その腕切り裂いてやる勢いで、下から薙ぎ払うよりも早く彼の膝が
    僕の鳩尾を深く突き上げるなら、込み上げた胃液を吐き出し
    身体が幹を伝いズルズルと地面へ蹲ると共に彼は
    自身のナイフを僕の肩から引き抜き、血で滴る切っ先を一度振った。


    『がァ!!!?ゥぐぅっ、ゴホッ……ゲホッげほっ!!!』


    『本気でおいでって言ったはずだよ?じゃないとトリスタ……君マジで死ぬよ?』


    そう言って再び彼の気配は森に溶け込んだ。


    『……本気で殺す気…かよっ!』


    僕は腹を抑え背を幹に預ける様によろよろ立ち上がるなら、
    ナイフを幾つか取り出して、僕は殺意を瞳に宿した。
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