七夕 笹飾りの短冊を手に取る。そこには『もっと野球が上手くなれますように』とデカデカと下手な字で書かれていた。
それに懐かしさを感じて、遠い記憶が蘇る。おれも子供の頃に同じことを書いた気がする。昔のことは飛び飛びにしか思い出せないが幼馴染も似たような願い事を書いていた。
心から野球を楽しんで、上達を望み、それだけに打ち込んできたことは過去の自分が書いた絶対ノートからでも明らかだ。そしてそれは現在にも言えること。
小手指高校でゼロから野球を学び、悔しさと喜びと楽しさと知ってしまったから地味でキツい練習も続けている。
おれは昔から変わってない。だからどんなに忘れたって結局昔と同じように愛してしまうのだ。
5468