ロゾ日記side:Law⑥○月6日曇り
霜月コウシロウも、記憶を持っていた。それから、話は早かった。おれはゾロ屋と同盟関係の海賊で、一緒に戦い同じ船に乗り合わせたこともあったこと、次に逢ったときは一緒になることを約束したこと、ただ、ゾロ屋には記憶がないことを伝えた。
ええ、彼に記憶が無いのは私も知っています。ただ、ゾロ君はゾロ君だ。あの時から中身は変わらない。真っ直ぐで、眩しい。
目を細めて少し遠くを見た。過去を思い出すように。
あなたの言葉には嘘がないように思います。信じましょう。ただ、一つ、条件があります。
彼を不幸にしたら、許しません。
くれぐれもよろしくお願いします。そう言って微笑んだ。
こうして、ゾロ屋はうちの施設に来ることが決まった。おれは踊る心を落ち着かせながら、ゾロ屋に伝えた。ゾロ屋は驚いた顔をして、聞いてない!と言った。やはり、嫌だったか…?そう言えば、今の俺たちは顔見知り程度の他人だった。少々浮かれすぎていた。
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