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    suppa_sugata

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    suppa_sugata

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    サゾと🐯
    ちょっと不穏でホラー?
    いや、そんなにかも。

    雰囲気で読んで下さい。

    #サンゾロ
    SanZoro

    何が不安だよワノ国に向かうまでの船で、ゾロ屋が熱を出した。酷い高熱と息苦しさがヤツを苦しめた。おれの知る病原菌による症状ではなかった。原因を探るために、ゾロ屋の身体を"スキャン"した。すると赤黒く体内に光る異物を発見した。身体を蝕む物質はウイルスか菌か、毒か。おれは見たこともないものだった。調べて行くと、物質そのものの毒性と言うより、物質の摂取をやめたことによる離脱症状の様だった。所謂、禁断症状。かなりの中毒性のあるものらしい。それは、まるでゾロ屋の血管を通して這い回る赤黒い蛇のように、全身をじわじわと動き、心臓を締め付けているようだった。物質の濃度は高く、一時的な食あたりレベルではなかった。毎日、かなりの量を盛られているようだった。
    …黒足屋、何か心当たりはあるか?




    ローはサンジに、そう問いかけた。
    サンジは驚いた風も無く、紫煙を落ち着いた様子で肺まで呑み込んだ。ローはそんなサンジの振る舞いに眉を顰めた。



    「黒足屋…お前がいなくなってからの話だ。それまでにゾロ屋が一番口にしてきた物は…お前なら分かるだろう」

    「…なんだよおれがマリモに毒を盛ったと言いてェのか?」

    常ならばカッと怒りそうなものだが、サンジは酷く落ち着き、薄らに笑みさえ浮かべていた。

    「毒…よりも厄介なもんだろ?それに一日に浴びるほど食わせているみてェだったな。メシ以外には酒に混ぜたのか?どんなドラッグを使った…?」


    ローの言葉を聞き、サンジは笑った。



    「愛だよ」



    続けてサンジは語った。

    たっぷりの愛情さ。おれは2年、あいつと離れて過ごした。その時、一緒に居た時には感じなかった焦燥感、みたいなものを感じたんだ。…あいつはきっとおれ無しでも生きていける、そう強く、な。おれ無しでも生きていける。ちょっとそれじゃあ淋しいじゃねェか。だから再開した後、おれは惜しみなく愛を"注ぎ"続けた。2年間の空白とこれからを埋めるみたいに。おれ無しじゃ生きて…はいけるだろうが、目一杯苦しむように、ってな。

    ローにはサンジの言う"愛"がドラッグの比喩なのか、はたまた真実なのか、判別出来ないでいた。


    「…狂ってやがる…。」

    ローはサンジを薄気味悪く思った。



    サンジはもう一度、深く紫煙を吸い込み、空に吐いた。

    「それで?お前のことだ。ゾロを助けてやったんだろう?」

    「あぁ、あの気味の悪い物質は能力で全て除去してやった。そして圧縮して小瓶に詰めてやった。…随分とグロテスクな色をしていたぞ」

    ローは少し得意げに口端を吊り上げた。

    「そうかい。じゃあおれのたっぷりの"愛情"はこの広い海にでも投げ捨てちまったってか?」

    サンジは演技がかったように両手を広げた。笑ってはいるが、少し寂しげにも見えた。

    いや、とローはサンジの様子も気にせずに、一人考えるようにして溢した。




    「あれはゾロ屋が貰っていった」









    サンジが麦わらの一味に戻り少し経った後のことだ。ゾロは一人、腹巻きの中から液体の入った小瓶を取り出した。中身は血のように赤く、どろりと黒い。徐に栓を開け、口付けた。ごくりと喉仏が動き、グロテスクな液体を飲み干した。





    「甘ェ…」

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