今日はダメな日だ。
早々に自分に見切りをつけた俺はすべてを放棄するべく屋上へと向かった。ダメになってもバスケだけはちゃんとしなければならないし、したいと思っているので。その為の体力温存だった。
たまに俺はこうなる。多分知らず知らずのうちに溜め込んでいる諸々が許容量を超えた時に訪れる。あまり限界という言葉は好きではないのだが、バスケ以外に関しては己にメンタルの限界値があるということは自覚せざるを得ない。
IH前の赤点以来、授業は真面目に受けるようになっているのだが、こうなってしまった俺にはもう何も頭に入ってこない。頭に入ってこないだけならいつもと同じじゃないかと思われそうだが、英語の授業でもないのに言葉が理解できなくなるのだ。言っている言葉は音として分かるのにスッと理解はできなくて、やろうと思えば無理矢理できなくもないのだが普段の何倍もの脳の労力を使うことになり疲労が増して溜まるという負のループになる。何を言っているのか理解できねーかもしれないが俺も解らねえ。
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