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    1週間かけてじわじわ体調が悪くなる七の話
    7日目 最終日

    1週間かけてじわじわ体調が悪くなる七の話今朝の目覚めは自宅のソファーでだった。
    久しぶりに自宅の照明をまじまじと眺めている…
    昨夜は伊地知君が自宅まで送ってくれて…
    上がってもらおうと思ったが電話が来てすぐ帰って…?
    …冷蔵庫を開けた記憶はあるからアイスは無事…たぶん
    服は…シャツとパンツは履いているようなので人権はある…
    じゃあ……まぁいいか…

    再び目を瞑り眠りに落ちる瞬間、五条さんのちょっとしたことから雑になってくるという言葉を思い出した。


    ——————————————


    今日は日曜日。繁忙期もほぼあけ学生達も休日の朝をのんびりとすごしていた。
    そしてたまたま朝食の時間が揃った3人の会話は先日の七海で持ち切りとなっている。


    「釘崎もナナミンと任務があったんだろ?俺の時喉痛そうにしてたし、次の日会った伏黒もナナミンの咳が酷くて辛そうだったって言ってたし…大丈夫かな?」
    「一昨日会った時も声も咳も酷かったわよ?しかも熱ありそうだったし、ずっと寒がってたわ。」
    「寒がってたってことはまだ熱上がりそうだったんだな…。昨日も仕事だったみたいだし。」
    「じゃあさ!ナナミンのお見舞いいかねぇ?!今日はオフって言ってたし!!」
    「えぇ〜……いや、いいわね!」
    「釘崎お前一級の自宅見たいだけだろ。」
    「あの七海さんの家よ?!気になるじゃない!!」
    「料理するって言ってたから調味料とかオシャレに並べてそうだよな〜!」
    「…そもそも家知ってるのか?」
    「あ〜…五条先生に聞けば分かんじゃね?」
    「てかあの二人、なんか知らないけど仲良いわよね。」
    「…七海さん、五条先生の一個下の後輩だからな…」
    「うっそ…!!七海さんのが五条より上かと思ってた…」

    「…あっ!五条先生〜?」
    『悠仁どしたの?』
    「おはようございます、五条先生。」
    『うぉ、恵もいんじゃん。仲良いね〜!』
    「釘崎もいるよ!」
    『全員揃ってるの?野薔薇〜おはよ〜』
    「…うす…」
    『で?皆してどうしたの〜?』
    「五条先生ってナナミンの家どこか知ってる?」
    『知ってるけど…あ、もしかしてあいつ体調崩した?』
    「そうみたい、だからお見舞い行こうかなーって思って。あんま家帰れてなかったみたいだし大変そうじゃん?」
    『…あ〜その、様子見に行ってくれるのは有難いんだけどさ、オフの日に寝込んでる七海ってものすごくポンコツになってるから…』
    「「「…ポンコツ…???」」」
    『そんな、初めてポンコツって言葉聞いたみたいに…。まぁとにかく、手に負えなさそうなら寝かせればいいから!住所は送るよ。僕も後で行くから。』
    「わかった!!後でね、先生!!」


    虎杖が通話を終わらせると早速準備に取り掛かった。


    ——————————————


    「ここか、七海さんの家。」
    「でっかいマンション!!さっすがナナミン!!」
    「しかも最上階とか…一級の給料幾らなのかしら。」

    無事七海の家に迷うことなくたどり着いた三人は早速チャイムを鳴らした。


    「やべ〜オレこういうマンション入るの初めて!入口も開けてもらうんだ!」
    「セキュリティも悪くないし高専にもまあまあ近いし良いわねここ。」
    「………。」


    しかししばらく経っても出てくる気配はない。部屋を間違えたか?と思いもう一度確認してチャイムを鳴らしたがこれでも七海が出てくることは無かった。


    「…アレ?」
    「…寝てるんじゃないか?」
    「あぁ〜…でもぶっ倒れてても怖いしなぁ…」
    「電話かけて出なければ1度帰りましょ。」
    「そうだな!」


    虎杖が七海の番号に電話をかけてみるとちゃんと呼び出しはかかっている。
    なかなか出ないことに焦りを感じつつ、スマホが自動で切るまではと待っているとやっと繋がった。


    「あ!ナナミン?!大丈夫?!?!」
    『…たどぃくん…??』
    「ごめん、寝てた?声やっばいね。今1年皆でナナミンのマンションの前に居て、お見舞いに行きたいんだけど入ってもいい?」
    『りがと…ぐっゲホッ!!』
    「しんどそうだね。鍵開けられそう?」
    『ゲホそ…ん!…もうじわけなのですが、じゅうごふん、ほど、おまちいただけますか…ケホッ』
    「部屋汚いとか着替えてないとかだったら全然気にしないでよ。ナナミン忙しかったの知ってるし、オレたち看病しに来たんだから大丈夫だよ!」
    「そうよ、病人が気にすることじゃないわ。」
    『え…そゔではなくて…げんかんまでいく、のにそぐらいかかりそうなので…』

    「「「っっっ!!!!!!」」」
    「…ナナミンのマンションリアル脱出ゲームだったり…」
    「するわけないだろ。七海さん、無理しないでください。伊地知さんに連絡して高専にある緊急用の鍵か管理人に開けてもらいますから。」
    「…ちょっと虎杖、アンタここから…」
    「…あー行けると思う。ナナミン!ナナミンの部屋1番上の階だよね?ベランダの窓ならすぐ開けられそう?」
    『…げんかん…よりはっゲホッ』
    「よっしゃ!!すぐ行くからね!!」
    『…??たどりくん…?』


    ぐっぐっとストレッチをする虎杖に伏黒が声をかける。


    「登る気か?」
    「おう!見張り任せた!」
    「…多分この時間でもカーテン引いてる部屋だ。」
    「あそこな、分かった。」
    「最悪窓なんて割っちゃいなさい。五条が何とかするわ!」
    「おう!!」


    ——————————————


    スマホの執拗いバイブによって目が覚めた。
    緊急かもしれないと重い腕を伸ばして電話を取れば虎杖君達。
    よく分からないままリビングの窓を開けてくれと言われたが、妙に力が入らず落ちるようにソファーから出て這いずって向かう。

    玄関よりはマシだが休み休み進んで窓を開けるとビュンと風が入った。
    それと同時にナナミン!!と言う大きな声と共に虎杖君が姿を現した。

    「大丈夫?起こしちゃったよね?え、てかその格好!悪化しちゃうよ!」と矢継ぎ早に言葉を重ねていく。
    私が答える間もなく抱き上げられ先程まで寝ていたソファーに戻され、バサりと彼のジャケットを掛けられる。
    「伏黒達も入れていい?」と問うてきた彼に小さく頷くと、「ありがと。インターフォンで下の鍵開けれる?」と続けて聞くのでそちらも頷いて答えた。
    電話をかけたり解錠したりバタバタとしている彼をぼんやりと眺める。


    「うわっ何でここにジャケットとズボン落ちてんの?!靴下…ネクタイも!道になってんじゃん!!」
    「ちょっ…七海さん本当に大丈夫か?!」
    「おじゃましまーす。」


    リビングに集まった三人を見てはたと疑問が浮かぶ。


    「ぁれ…きみだちがっこ…?ゔっケホきゅうこー…??にぢよぅび…??」
    「…あ〜ナナミンナナミン、大丈夫だから…」
    「…全員休みです。」
    「…重症ね。」

    「とりあえずベッド戻れる?」
    「ん…ぁい…」


    七海はもちょもちょと動くも1ミリも立てる気配がない。
    顔を見合わせた三人は全力で七海のお世話をすることを心に決めた。


    「ナナミンごめんね、抱っこするよ〜。」
    「寝室こっちですか?服も着替えましょう。」
    「ここ片したら飲み物持っていくわ。」


    虎杖、伏黒は七海の寝室に入ると驚いた。
    ベッドは綺麗に整えてあり使った様子が全くなかったからだ。


    「もしかしてナナミン…ベッドで寝てなかったの?」
    「…ん…ゲホッ」
    「…はぁ…七海さんクローゼット勝手に開けますよ。」


    ベッドに座らせたものの、完全に溶けている七海の身体を支えながらさっさと着替えさせる。
    丁度着替え終わったタイミングで釘崎が入ってきた。


    「スポドリ持ってきたわよ。結構食べるものも入ってたわ。伊地知さんが入れてったのかしら。」
    「じゃあ探せば薬とか冷えピタもあるかもな。」
    「七海さんの熱も測った方がいいんじゃない?顔真っ赤よ?」
    「確かに。ナナミン、体温計どこある?1回測ろ?」
    「あたなにこめ…?」
    「2段目ってことかな。」
    「でも…たぶんねついですよ??さんじゅななどくい??」
    「「「それはない(です)(わ)」」」
    「ゔ…??」


    (((やばい…めちゃくちゃポンコツだ…)))

    (七海さん普段しっかりしてる分こういう時はダメなのね…)
    (水分取らせて熱測ったらすぐ寝かした方が良いかもな…)
    (とりあえずオレ冷えピタ探してくるわ。)


    「七海さん、はい、体温計。自分で測れます?」
    「…は…」


    体温計を脇に挟みふぅふぅと熱い息を零す普段とは違う七海に少し不安を覚える2人。
    しばらくするとピピッと音がなり検温終了を知らせてきた。
    見ると40度近い高熱。

    (…五条先生に早めに来れないか連絡してくる)
    (わかったわ。とりあえず水分取らせておく。)

    伏黒は寝室を出ていくのを見届けて、釘崎は七海に声をかけた。


    「七海さん水分取りましょ。コップ持っ…たら危なそうね…」


    当の七海は疲れたのかこくこくと船を漕ぎ始めていた。支えて飲ませてやるしかなさそうなので虎杖たちを待つか、と考えているとタイミング良く虎杖が寝室に入ってきた。



    「なんかテレビ台の下に冷えピタ入ってて手こずった!他にも使えそうなの色々入ってた。」
    「…ストローとかないわよね?」
    「ん〜と…あ!入ってる!」
    「マジか、伊地知さんすご…。虎杖、七海さん支えて。」
    「わかった。ナナミン、これ飲んだら寝ていいからね。」


    声は聞こえているのか、七海は薄ら目を開けてストローを咥え飲み始めたので少し安堵した。

    飲ませたあとはそのままベッドに転がし毛布をかけてやればすぐ寝息が聞こえたので、冷えピタを貼ってそっと部屋を出た。


    「七海さんスポドリ飲めたのか?」
    「ペットボトルの半分くらいは飲めてた。先生どうだって?」
    「家入さんから薬預かってから来るらしいが…まぁ、すぐ来るだろ。」
    「なら、今のうちにお粥作っちゃいましょ。五条来たらそれどころじゃなくなるわ。」
    「そうだな〜。つっても火つけたらほぼ放置だけどな!」
    「確かに。」


    わちゃわちゃと料理を始め、最後の仕上げをする頃になると五条もやって来た。


    「お疲れサマンサ〜!!七海どんな感じ?」
    「結構熱高くてキツそう…」
    「水分だけ取らせて寝かせたわ。」
    「キッチンにお粥作ってあります。薬飲ませるならそれを。」
    「そっかそっか!ありがとうね〜!!あとは僕が見とくから。明日学校だよ!」
    「…そうね。七海さんも人数多いと疲れるだろうし。」
    「だな、先生よろしく!」
    「七海さんにお大事にと伝えておいて下さい。」
    「りょーかい!じゃあまた明日ね。手洗いうがいしっかりやるんだよ!」


    そう言って三人を見送った五条は静かに寝室へ向った。


    「…いい子たちが入って来たね。僕らも頑張らないとだ。…でも無理は良くないよ。お前を頼りにしている奴はいっぱいいるんだから。」


    そう言って前髪を払ってやると七海は薄ら目を開けた。


    「…それは…あなたもですよ…」


    聞こえるか聞こえないかという小さな声で呟いた彼の頭をサラリと撫でる。


    「…そうだね。…起きたなら薬飲もう?悠仁達がお粥作ってくれたみたい。」


    小さくこくりと頷いたのを見てにっこりと微笑んだ。

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