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    獰。。

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    金iカム
    現パロ社畜🌙と目が見えない🐈‍⬛のブロマンス
    タイトルのオマージュで雰囲気察していただけると…
    生産者は尾月・月尾のリバOKマンなので気になる方はご注意を

    #尾月
    tailMoon
    #月尾
    endOfTheMonth

    明日の晩飯何にする?「尾形…?」
    「…月島……軍曹殿?」


    俺達の突然の再会は案外穏やかなものだった。





    場所を移してファミレス


    「アンタ…前生の事ちゃんと覚えてるのに気にしないんですか?」
    「今生は今生だろ。生活も生き方もまるで違う。お前もその…大分変わったようだしな。」


    俺は伺うように尾形を見る。
    と言ってもそれはおそらく見えていないだろう。
    なぜなら声をかけた時、コイツは前生とは違いサングラスをかけ白杖を持っていたからだ。
    だが尾形は気配なのか、意味を察したのかカチャリとサングラスを外した。


    「…気になります?…医者に見せても視神経に問題ないと言われましてね。ガキの頃に記憶が戻った途端コレですから。全く、困ったもんですよ。」


    確かに両の目はしっかり有って僅かに動いているのが分かる。
    以前から真っ黒く硝子のようで像を映しているか分からん目だったが全く映さなくなるとは。
    因縁を感じざるを得ない。


    「…月島軍曹殿はなんか変わったことありますか?」
    「軍曹はやめろ。なんと言うか…今そう呼ばれるとこそばゆい。」
    「ははぁっ、現代に染まってますな。」
    「うるさいぞ。」


    生まれ変わっても無闇に人を煽る性分は変わっていないようだ。
    ニヤついた顔を眺めながら1つ意地の悪いことを思いつく。


    「…変わったことか。…そうだなぁ……俺は今世は鼻があるぞ…?」
    「えっっっっっ…」


    見えない人間に対してこの嘘は如何なものかと言う苦情は受け付けない。
    これくらいはしても許される間柄だ。

    今必死に頭の中で想像しているであろう尾形の姿に笑いが込上げる。


    「…ぶはっ!冗談だw…ほら…」


    言いながら尾形の手を取り鼻を触らせる。
    キュッと瞳孔が小さくなるまるで猫のような表情に、昔と変わらんなぁと安堵してしまう自分がいた。


    「…っ、アンタ随分丸くなりましたね。」
    「そりゃそうだろう。時代が違う。親父はクズだったが殺してないし腹の傷もない。ましてやこの歳になっても鶴見中尉殿と会えていないからな。」
    「そう、ですか…。そういえば、俺以外に前世で因縁のある奴らと会いました?」
    「いや。…だが居るのは知っているな。不敗の牛山とか、それこそお前の親父さんとか。」
    「あぁ、牛山はオリンピック金メダリストでしたね。親父は政治家。ニュースで顔を見るか。」


    少し尾形の表情が曇ったのは気の所為だろうか。今世でどういう扱いを受けているかは分からないが良くはないのだろう。
    話題を変えるかと口を開こうとした時、先に尾形が口を開いた。


    「それはそうと、月島さんはこの辺り結構来るんですか?俺、近くに住んでますけど初めて会いましたなぁ。」
    「あ、あぁ。近々転職する事になってな、今住んでるのが社宅だから物件探しに来たんだ。…お前、この辺住んでるならいいとこ知らないか?」


    俺がそう問うと尾形はニヤリと笑みを浮かべた。


    「ありますよ。駅近で安くて、しかも綺麗なとこ。」



    ーーーーーーーーーーーー


    「はっ?!?!?!お前ココ、超高級高層マンションじゃないか!!確かに駅近で綺麗だが安くはないだろ!!」
    「ちょうど俺の部屋の隣、空いてるんですよ。俺、目がこんなんですし隣に知り合いが入れば心強いな〜。」


    ニヤニヤとした顔を隠さない尾形にイラッとしたが、見えないというのは確かに心細いだろうと思い直す。
    正直コイツに友達がいるとは思えないしこの性格だから頼るという事も知らないだろう。


    「はぁ…俺にここで暮らせる程の金があるわけないだろ。」
    「普通に考えたらそうでしょうね。そうだなァ…5万でいいですよ。」
    「………は?」
    「このマンションのオーナーは俺です。最上階の一戸は俺の居住地で、もう一戸は来客用に空けてるんですよ。あぁ、心配しなくても家具家電も設置済みなので今日からでも住めますよ。」
    「いや、心配も何も…」


    気になる事が山ほどあるが「まぁ、まずは内見ですね。」と言って白杖を使いさっさと歩いていく尾形。とりあえず今はついて行くしかない。

    コンシェルジュがお帰りなさいませ尾形様と声をかけエレベーターを開く。


    「これ、最上階専用のエレベーターです。」


    …オーナーなのは本当なのか。
    驚き通しだった俺はようやく上昇していくエレベーターの中で質問をぶつけた。


    「…おい尾形、このマンションどうしたんだ?」
    「あぁ、ここは俺の実のお父様から慰謝料で分捕ったんですよ。」
    「慰謝料?」
    「事故っちゃ事故なんですがね、親父に突き飛ばされた拍子に車道に出ちまって…前世と同じような顔の傷の出来上がりです。次いでに勇作さんが俺の母にも、ガキの頃の俺にもと色々手を回していつの間にやらという感じです。」
    「…お前の家は…というか、あの人も変わらんな。」
    「記憶もバッチリありますし、そのせいか余計にねぇ。」
    「…もしかして来客用の空き部屋って…」
    「えぇ、勇作殿用ですよ。」


    ポーンという音と共に扉が開く。


    「アンタが入居してくれりゃいい口実になる。」
    「…お前、それが本音だろ。」
    「ははっ!!まぁ取り敢えず見てみてくださいよ。鍵、取ってきます。」


    そう言って尾形は3601と書かれた手前の部屋に入っていった。

    降り立った廊下は真っ直ぐ1本だけで真ん中の辺りにもう1つドアがあるのみ。

    …待ってくれ、もしかして部屋めちゃくちゃ広いんじゃないか?
    どう考えても社宅の3倍以上はある。

    なんで俺はこんな所にいるんだと自分の場違い感に頭の中ははてなマークでいっぱいになった。


    「お待たせしました。毎回クリーニング入れてるんで綺麗だと思いますよ。……なんか面白い顔してますね。」
    「…見えてないよな?」
    「ええ。でも、雰囲気でなんとなく。見えない奴はそんなもんですよ。俺の知り合いにもバカみたいに耳がいい奴がいるし、他の部分で補うんでしょう。」
    「…そうか。」
    「さ、どうぞ。」


    ガチャリと3602と書かれたドアを開けた。
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