ウミガメの涙 周回もレイシフトもなく完全なオフの日。朝から怠惰を貪り最近発売された対戦ゲームに熱くなるが何か褒美がないと張合いがない、と賭け事をしながら対戦し5本勝負結果は黒髭の勝ち。なんでも好きなことをさせるという約束のもと黒髭にいいようにされた。普段させて貰えないあんな事やこんな事。最初はバーソロミューも恥じていたが吹っ切れれば盛り上がった。それはそれは盛り上がった。
営みが終わりすっかり満足してピロートーク。2人はぴったりとくっつき指を絡めて今日のあの体位はよかった、あれば気持ちよかったなど感想を言い合っていた。今日も今日とてたくさん腹に注がれ腹がぽこりと膨らむバーソロミューに黒髭は腹を撫でながら戯言を言った。
「やー、出した出した。これ本当にエケチャン産めちゃうんじゃない?」
「無理決っているだろう?遂に脳みそまで腐ったか」
辛辣な言葉を言うがたくさん注がれた腹を優しく撫でる。女性の体であったなら本当に産めていたかもしれない。そう考えるとバーソロミューは嬉しいような、ゾッとするような……複雑な気持ちでいた。
「えー、でもぉ卵ならいけるんじゃね?」
「無理だ」
「気合いで……」
「なるわけないだろ馬鹿が」
怪訝な面持ちで相手を一瞥すると呆れ返り大きなため息を着きやれやれといった様子で黒髭のすっと通った鼻梁を指で撫でそしてつついた。
「私たちは神秘もなにない生身の人間だった英霊だぞ?キャスターの術ならともかく私たちはライダーだ。魔術など持ち合わせていない」
そりゃあそうなんですがー。愛の力で?なんてらしくもない言葉を言う黒髭にバーソロミューは可哀想なものを見る目をした。本格的に脳が腐ったか?バーソロミューは本気で心配をした。
「じゃーん、なら催眠術試してみまひょ!」
ゴソゴソとなにをしているかと思えば穴の空いたコインに紐を通した物をバーソロミューに見せる。そして振子の容量で揺らしこのコインをしっかり見るように言った。
「お主はだんだん卵を産みたくなるーぼてっ腹から卵を産めるようになるー」
実に阿呆臭く成功するはずない、だがノリと勢いで遊んでいるつもりの黒髭だったがこのバーソロミューは暗示に掛かりやすかった。チョロかったのだ。対魔力…魅了耐性が低すぎるのだ。
「ん、赤ちゃん産む♡卵産むからね♡」
膝を曲げて開脚すると下腹に力を入れた。息を詰まらせるようにいきむとアナルから何かが見え始めた。
「う……ぅ…っく、うううう、あっ!!」
ぽこん
「産まれた……だと?」
黒髭は絶句した。お遊びでやった催眠が効いて本当に卵を産んだのだ。正確には卵ではなく胎に注がれた魔力が凝集して球体になったものでる。吸収しきれず余ったものがこういった形で排出されるなど聞いたことがない。
一度排出して産道が出来たのか続いて何個も卵(仮)を産むバーソロミュー。ウミガメよろしく涙を流して産み落とす姿は生命の神秘を見ている気分にも有り得なすぎて絶句するのと頭の中が忙しくなった。
「はあ……うー……ひっひっふー……んんう!」
ラマーズ法を用いてなおもポコポコと産み出すバーソロミュー。腹部は最初の頃よりへこんできている。本当に魔力が変質したものらしい。赤い顔でいきんでいる姿は正直そそった。セックス中に見せる表情と似ていたのだ。黒髭は隣に座っていたがバーソロミューの目の前へ移動し開いている脚をさらに広げ腹部を強く押した。
「んああ!あっ!でりゅ!」
むりゅむりゅむりゅむりゅ、と残りを排出し最後にはぶちゅっと潰れた音がして腹に残っている魔力が全て排出され腹はいつものぺちゃんこでシックスパックが並び、ベッドには卵が転がっていた。
「なんてこった……」
産卵で疲れたバーソロミューは肩で息をしてベッドにぐったりと倒れ込んでいる。とにかく催眠を解除せねば……...バーソロミューの目の前でパン!と手を叩くと微睡んでいた海色の瞳がパチりと開いた。そしてベッドに転がる球体に悲鳴をあげた。黒髭はちょろすぎる恋人は可愛いが心配になった。
end