EVERLASTING 焦凍は氷結の上に乗ったまま荼毘のいた屋敷を出ると、森の中で氷結から降り出久を抱えたまま小屋へ向かった。大丈夫だから歩けると伝えても、焦凍は出久を離さず吸血鬼だということを証明するかのようなスピードで森の中を進んでいった。
逃げている状況を考えると、自分が歩くよりも早い。ここでまた捕らえられては、せっかく焦凍が助けにきてくれたことが無意味になってしまう。そう気付いて出久は大人しく焦凍に身を委ねた。
小屋に戻ると荷物が投げ入れられた状態のままになっており、帰ってきた焦凍が出久がいないことに慌てて駆け付けてくれたのだとわかる。
繋いだままの手をぎゅっと引かれて、焦凍はゆっくりと出久の方を向く。
『助けに来てくれてありがとう』
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