【弱虫泣き虫片思い/轟焦凍編】【日常の崩壊】
日常と言うものはいつ打ち破られるか分からないものだ。
そんな事はこれまで仕事を通して嫌という程理解している。
…つもりだった。
最近は大きな事件もなく、今日も無事に仕事を終えられた。かつて大きく狂った秩序は、取り戻せないものや消えない傷跡を残しながらも今や大勢が乗り越えようと逞しく生きている。
おしぼりで手を拭きながら、ガヤガヤと騒がしい店内で目の前の席に座る見慣れたそばかす顔をホッと見つめる。
そして今日もいつもと変わらぬ日常が続くとすっかり油断していた。
俺達が雄英高校で卒業式を迎えてから2年半ほど。
厳しい夏の暑さも和らいできた頃だった。
プロヒーローになっても1-A時代からのグループLINEを通し、お互いの近況を伝え合ったりと元同級生達とは今も交流が深い。
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