【弱虫泣き虫片思い/緑谷出久編】【日常の崩壊】
定時で仕事を終えられて今日、いつもなら轟君との約束が果たせる事を喜ぶ時間になる筈だった。
終わり間際に仕事が飛び込み、残業になる事はお互い珍しくない。だからこんな日は素直に嬉しい。
轟くんの方も今日の業務を無事に終え、僕の終業を確認するメッセージを送ってきていた。
今日は轟くんとご飯に行く約束の日。
どんな時でも轟君は優しく僕の話を聞いてくれるから、また僕ばかりが話してしまったと毎回反省する。だけど轟くんはそれでもいいって言ってくれて、いつもついつい甘えてしまう。
轟くんは自分の感情を表に出したり沢山話すのはあまり得意じゃないから僕の話を聞いているのが好きなんだと言ってくれる。そんな彼を思いながら、約束のある日は仕事の疲労に反して足取り軽くお疲れ様でしたと事務所を出て行く。
16523