七虎。よくありがちネタ「それ美味しいですか?」
「食べる?」
食べていたお菓子をナナミンが美味しいか聞いてきたから、あーんと口元に運んでいけば、指先がナナミンの唇にぶつかった。
なんとも言えない感覚と温度に驚いて落としてしまいそうになるけど、ナナミンにそのままパクッと口の中に指ごと食べられてしまった。
引っ込めようとする手を掴まれてしまい、ぬるっとした舌の感覚に驚いて指を引き抜こうとするものの、ナナミンの手と舌がそれを許してはくれなくて、舌先を絡められてぬちぬちと指先を弄ばれる音と感覚にただただ耐えるしかなかった。
「ふっ、なかなか美味しいですね」
漸く離された俺の指とナナミンの舌の間に銀色の糸が引き、色気ある顔で微笑まれては俺はテーブルに突っ伏した。
「ナナミンのえっち」
くつくつと笑う声が上から聞こえて、ナナミンはえっちな事は好きでしょう君とか言ってきた。
もう、もう!
そういうとこだよナナミンっ!
えっちが好きなんじゃなくて、ナナミンとのえっちが好きなんだよ馬鹿ってもごもごと呟けば、いつしか俺は宙を浮いていて知らぬ間にベッドへと運ばれていた。
「奇遇ですね、私も好きですよ」
ネクタイを緩めながらそう覆い被さってきたナナミンに、ああ、勝てそうにないなと諦めて首にしがみついた。