特製、生地薄ゴススーツハロウィンエリアの大鍋から飛び出た緑の火が、紺碧の掌(てのひら)に集まっていく。
円を描くような優美な仕草で光を纏め上げ、やがてそれらは胸の核へと消えていった。
しばし目を伏せて、全身に火が行き渡り核に光がみなぎる感覚に身を委ねてから、ゆっくりと目を開く。
青い瞳が、発光していた。
真っ白なまつ毛の先まで走る光、まばたくその動きさえ鮮やかで、雪白は目が離せず見つめていた。
光の吸収が終わり身体の発光もおさまると、紺碧は自分の身体を見下ろして言った。
「この衣装の薄さ、悪意あるよね」
胸元を睨む横顔に、雪白は苦笑する。
「ま...まぁ...薄いですよね...」
腕を組むふりをして、さり気なく身体を隠す雪白の上衣の生地も、薄い。
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