これからもおだやかに 年の変わり目が近づくにつれて、璃月の人々の動きは忙しなくなっていく。新しい年の初め、今年一年の厄落とし、年末安売りに、初売りの準備。新年を迎えるにあたって様々な行事がある璃月だが、その中でももっとも璃月の人々にとって大事なのは、年の瀬を迎えた後にある海灯祭だ。
新たな年を迎え、その年て一番最初の空に浮かぶ満月の日に向けて人々は足早に準備を進める。それ以外の行事は、正直なところ全て二の次なのだ。
そして、そんな忙しない賑わいは夜も続く。その中で、優雅に酒を飲む客卿がいた。
岩王帝君の誕生した日は璃月では『岩王節』と呼ばれている。が、璃月の民は誰一人として、この日を正確に知るものはいない。
昔、璃月の民は岩王帝君に問うた。璃月建国という偉業を成し遂げた帝君の誕生した尊ぶべき日に祭事を行うべきだと。これに対し、岩王帝君はこう答えた。
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