旅行する有とそま「今年も数日空ける。その間蒼真の監視を頼みたい」
「…と言う事は、もうそんな時期か」
ユリウスは有角に言われなるほどなと納得した。秋も中頃、暖かさも穏やかになってきたそんな時期に有角は休みをとる。
セリア率いる教団との戦いが終わり、再び日常が戻った蒼真に脅威があるのかは今の所不明で、監視が必要なのは変わらなかった。一つ変わった事と言えば前程監視の程度を下げた事だ。
「提案なんだが、蒼真を連れて行くのはどうだ?親睦とは違うだろうが折角なら一緒に行くのも悪くないんじゃないか?」
そう提案するのが変化の良い結果だろう。ユリウスもそうしろとうんうん頷く。有角は嫌そうに眉を顰めるが、「金の心配ならオレが出すが?」としつこく食い下がる。ここまで言われたら断る材料が減って有角も少し思案した。
1283